IBC 2008 イノベーション賞受賞式情報②

2008.11.18 UP

IBC特別賞はNHK、英BBCなどの共同研究による「スーパー・ハイビジョン」へ

多くのIBC2008来場者が注目のスーパー・ハイヴィジョンのデモンストレーションを目の当たりにしました。超高解像度での映像は、すぐ近くの送信源から届いたものだけではなく、ファイバー接続によってロンドンにあるライヴ・カメラから送られてきたものや、二つの衛星トランスポンダーを使ってトリノのサーバーから送られたものもありました。この技術の達成は実に驚くべきものであることから、IBCは関わったチームに特別賞での表彰に選出しました。

スーパー・ハイヴィジョンは各方向にHDの4倍の解像度を提供: 画像は水平7680×垂直4320画素の解像度、音声は22.2チャンネルのイマージブ型(没入型)サラウンド・システムです。この体験はとにかく素晴らしいもので、現時点では、スーパー・ハイヴィジョンは国際的な協同研究の役割を果たしているところです。協同研究はスーパー・ハイヴィジョンを開発した日本のNHKと、BBC、IRT、RAIの間で行われているもので、現在はブロード・キャスティング・テクノロジー・グループの名で知られているチーム、EBUの支援を得ています。

NHKは、スーパー・ハイヴィジョンでのコンテンツを初めて国際的に放送したことでもIBC特別賞を受賞しました。この功績は多くの機関からの時間と技術への多額な投資を呼び寄せることとなりました。

ロンドン中心部では、テムズ川の上空にスーパー・ハイヴィジョン・ライヴ・カメラが設置されていました。BBCは技術パートナーのシーメンスITソルーションズ・アンド・サービシズ社やSISライブ社とともに、ライヴ・カメラを制御して、MPEG-2で600Mb/sに圧縮した映像と音声をロンドン・ファイバー・ネットワークを介して送信しました。ケーブル・アンド・ワイヤレス社はその映像と音声をウルトラ・ブロードバンド・ファイバーを介してロンドンからアムステルダムにあるRAIセンターへと送りました。

イタリアのトリノでは、RAIが特殊な圧縮エンジンへと入力するスーパー・ハイヴィジョン・サーバーを制御していました。その圧縮エンジンは16のエンコーダーを並列で使いネイティブ24Gb/sのスーパー・ハイヴィジョン信号を140Mb/sのMPEG-4/H.264に圧縮するものでした。ユーテルサット(フランスの通信衛星運営企業)は、信号をIBCの屋上へダウンリンクできるようにするため、衛星トランスポンダーを2機提供している。

賞は、パートナーシップを代表して、NHK放送技術研究所所長、久保田啓一氏に授与されました。久保田氏は次のように述べています。「この受賞は、このプロジェクトに関わっている未来を見据えた企業の方々のご協力による賜物です。プロジェクトを遂行するため長期にわたってブロードバンドと衛星の性能に投資してくださっている私たちの業界パートナー、ケーブル・アンド・ワイヤレス、ユーテルサット、シーメンス、そしてSISライブの方々に対する私の感謝の気持ちは、BBC、RAI、EBUにいる私の仲間たちも同じだと思います」

【Inter BEEニュースセンター】
◎写真・・・特別賞受賞者

#interbee2019

  • Twetter
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube