【InterBEE 2009出展者情報】 NTTアドバンステクノロジ株式会社、非圧縮HD映像を1msecと超低遅延でリアルタイムにIP伝送するHDTV映像IP伝送装置を展示

＜＜非圧縮HDTV映像を双方向でリアルタイム伝送可能に＞＞

　NTTアドバンステクノロジ株式会社は、非圧縮HDTV映像をギガビットIPネットワークへリアルタイムに伝送する「非圧縮HDTV-IP Gateway XG-2」を展示した。

　「非圧縮HDTV-IP Gateway XG-2」は、NTTネットワークサービスシステム研究所とNTT未来ねっと研究所が開発したIPネットワーク上で非圧縮HDTVを双方向に映像伝送可能とするゲートウェイを製品化したもの。

　「非圧縮HDTV-IP Gateway XG-2」の特徴は、HDTV映像信号を圧縮せずにリアルタイムにIPパケット信号として送出するため、ギガビットネットワーク2ポートで映像入力から出力まで最短1msecの低遅延で伝送できる。
　
　また、HDTV映像データであるHD-SDI信号を非圧縮のままIP化して、ギガビットイーサインタフェース2本でネットワークに出力。受信側では、ネットワークからの2本のギガビットイーサネット入力信号を合成し、非圧縮HDTV映像データを復元して出力することが可能だ。

　さらに、「音声やRS-232C／RS-422の制御データも同時にパケットとして送ることができるため、放送利用を想定した場合は、インカムの音声やカメラの制御情報も同時に、双方向で送ることができる」とトランスポートシステムビジネスユニット主査の黒木浩徳氏は説明した。

　なお、「非圧縮HDTV-IP Gateway XG-2」は、2008年6月から販売中で、実績としては、「学術研究系の団体で、JGNやSINETなどを利用したイベント中継で実績を持つ」と言う。


＜＜TBSがトライアルで利用　５本のハイビジョン映像を同時伝送＞＞

　放送関係では、番組素材や中継映像の非圧縮伝送にトライアルとして利用されていると言う。例えば、「TBSがInterop2008/IMC Tokyo2008にて、TBSの展示ブース内の仮設スタジオとTBS放送センターを10Gbpsという広帯域回線で結び、5本の1.5Gbps非圧縮ハイビジョンHD-SDI映像信号を同時に伝送するトライアルに利用していただいた（トランスポートシステムビジネスユニット　主任　山本祐一氏）」と説明した。現在も国内の放送局でトライアル利用しているという。

　この他、遅延がほとんどなことと双方向の映像伝送ができることから、「テレビ会議や大学などのでの遠隔授業に使ってもらいたいと思っており、提案している」と山本祐一氏は説明した。また、海外においては、「ダークファイバー持っている企業でテレビ会議用として利用してもらっており、海外展開についてもチャンスがあると期待している」と山本祐一氏は語った。