米On2、最新の高効率映像CODEC「VP8」を発表

2008.10.24 UP

 映像用CODEC開発企業である米On2社は13日、最新の符号化方式「VP8」を発表した。このCODECは、MPEG-4 AV/H.264に比べて、30%から80%の高効率化を果たしている。ここで言う高効率化とは、同じSN比でのビットレートの違いを意味する。高効率化は、QCIFのような小さな画像だけではなく、1280x720PのようなHDでも達成されている。
 概要を発表した同社CTO(最高技術責任者)のPaul Wilkins博士(写真)によれば、このCODECは「初めてマルチコアを念頭に設計された」ものであり、最高64コアに対応しているという。また、CPUとしてはARMを主要なターゲットして最適化しており、モバイル用途を強く意識したものとなっている。
 同博士の解説によれば、AVC/H.264に比べて「ループフィルタ(デブロッキング・フィルタ)」部分でCPUのSIMD命令を活用するようにアルゴリズムが組まれているという。
 同社は、これまで独自CODECを世に問うており、標準化がなされる前に高機能を得たい顧客からの指示を得ていた。VP7はIP電話ソフトウェア「スカイプ」に用意されているTV 会議機能に収められている。
 同社は、このCODECのエンコーダ、デコーダのライセンスをソフトウェア各社に販売する。AVC/H.264規格化の際のように、On2社の技術を国際標準に入れ込むかどうかについては表明なされなかった。

【映像新聞社】

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