【InterBEE2011】KDDI研究所 スマートフォンでの映像伝送に対応した「VistaFinder MX」新バージョンを初出展
2011.11.17 UP
「VistaFinder MX」の展示コーナーの様子
スマートフォン版送信端末から送信している様子
タブレット版受信端末から送信している様子
「VistaFinder MX」ディスクトップ型受信端末
KDDI研究所(埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長 中島康之)は、幕張メッセで開催中のInterBEE 2011において、同社の携帯型高画質ビデオ(ライブ/蓄積)伝送システム「VistaFinder」の送信端末に新たにスマートフォンやタブレット端末を追加し、マルチチャンネル対応などのいくつかの最新機能を追加した新しい「VistaFinder MX」を発表、今回のInterBEEで初お披露目している。
■ネット回線、衛星でAndroidスマートフォン、タブレットによる映像伝送を可能に
「VistaFinder」は、インターネット回線で映像を伝送するソフトを搭載したPCの送信装置と受信端末からなるシステムである。伝送には、UQ WiMAXや無線LANなどのIPブロードバンド環境やauデータ通信カードを使ったモバイルデータ通信回線、KDDIインマルサット衛星回線(BGAN)などに対応している。
今回発表した「VistaFinder MX」は、送信端末に新たにAndroidスマートフォン版と、Androidタブレット版を追加した。また、マルチチャンネル受信機能やKDDI研究所の超高速暗号化アルゴリズムKCipher-2の採用、途中で途切れない工夫などの新機能を追加している。
新たにサポートしたAndroidスマートフォン版「VistaFinder MX-ASP」とAndroidタブレット端末版「Vista Finder MX-PST」は、内蔵のカメラを利用して、撮影しながら3G回線や無線LAN回線を利用して、ライブ配信する機能を提供する。
マルチチャンネル受信機能については、受信機のCPU負荷やネットワークの帯域の状況によるが、最大12チャンネルまで同時受信可能という。また、途中で切れないライブ配信の仕組みについては、ネットワークの状況に応じてダイナミックにエンコードのビットレートを調整する動的レート制御機能により実現しているという。なお、「複数のネットワークインフラを束ねて利用する「バルク接続モード」と利用可能なネットワークインフラを状況に応じてシームレスに切り替える「シームレスハンドオーバー」機能は現在未対応となっているが、現在開発中」と研究プロモーション部門 主幹研究員の斎藤 雅弘氏は説明した。また、伝送帯域が非常に低くなってしまうような環境化では、音声のみの配信に切り替えるモードも用意しているという。
■会場では映像中継のデモを実施
ブースでは、「VistaFinder MX」のデモンストレーションを行っている。具体的には、Androidスマートフォン版「Vista Finder MX-ASP」とタブレット端末版「Vista Finder MX-PST」で各々撮影したQVGAサイズの映像をUQ WiMAX回線を利用して伝送し、「Vista Finder中継サーバ」を介して、インターネットに接続したPCの受信端末「Vista Finder MX-PDR」で受信するデモを行っている。
斎藤氏は、「スパートフォンとタブレット端末からは、QVGAサイズのH.264/AVCにて圧縮し、300kbpsで伝送している」と説明した。また、今までは1対1の送受信であったが、今回のシステムでは「Vista Finder中継サーバ」を介して伝送しており、商品展開として「パッケージ商品とするのか、それともASPとして提供するのか検討中」という。
本製品の発売時期については、「PC版が年内に、スマートフォンとタブレット版が来年2月に発売する予定」という。
(展示ホール8、ブースNo.8301)
「VistaFinder MX」の展示コーナーの様子
スマートフォン版送信端末から送信している様子
タブレット版受信端末から送信している様子
「VistaFinder MX」ディスクトップ型受信端末