【ニュース】米ゼンバージ社、H.264/MPEG-2の双方向変換が可能なマルチチャンネル対応フルHDトランスコーダLSIを発表

2009.10.29 UP

高性能版マルチチャンネルトランスコーダーLSI「ZN200」
ゼンバージ社CEOのアミア・モビニ氏

ゼンバージ社CEOのアミア・モビニ氏

<<フルHDのMPEG-2とフルHDのMPEG-4 AVC/H.264の双方向に4ストリーム同時変換>>

 米ベンチャー企業のゼンバージ社は、2009年10月29日、4ストリーム同時にフルHDのMPEG-2とフルHDのMPEG-4 AVC/H.264の双方向に変換可能なコンシューマ製品向けトランスコーダLSIを開発、トランスコーダLSIの2製品「ZN200」「ZN100」を発表した。

 「ZN200」は、HDTVを4ストリーム同時にMPEG-2とH.264/AVCの双方向変換が可能なリアルタイムトランスコードSoC(System on a Chip)、「ZN100」は、ホストプロセッサーを搭載せず、トランスコードを2本に限定しすることで、より低価格・低消費電力でトランスコーダーの機能を提供する。


<<「日本のトランスコーダー市場に期待」>>

 ゼンバージ社CEOのアミア・モビニ氏は、日本のデジタルコンシューマ製品の市場について、「日本は、デジタルコンシューマー製品において、高機能・高性能な製品開発を得意とし、トランスコーダー機能の応用も他国より先行していると思う。 トランスコーダー市場も、近い将来、年間1千万台を超える需要があると見ている。
 ゼンバージは、そのような市場の要求に答えられるように、高機能・高性能な製品を普及価格で提供する」と語った。

 ZN200の主な特長は、4ストリーム同時にフルHDのMPEG-2とMPEG-4 AVC/H.264の双方向変換に加え、1ストリームのフルHD MPEG-2とフルHD MPEG-4 AVC/H.264の4倍速双方向変換やポータブル機器向けに1ストリームのフルHD MPEG-2からWQVGAのH.264/AVC変換、非圧縮映像のMPEG-2、H.264 Videoへの複数同時エンコード/デコード、各種音声フォーマットのトランスコード、3D-MVC再生にも対応する。

 また、カスタムアプリケーションとネットワーク機能の実装用として、1200 DMIPSプロセス能力を持ったホストプロセッサを搭載している。さらに、日本のデジタル放送用著作権保護規格のMULTI2の複合やIPTV用の著作権保護規格のMarlin、iVDR用の著作権保護規格のSAFIA、DTCP/IP、WindowsMediaDRMなどコンテンツ保護向けの暗号/複合方式に対応する。


<<デジタル放送の2番組同時録画と2番組のトランスコードが可能>>

 ゼンバージ社アジアパシフィックのセールスとマーケティングを担当するVice Presidentのトシオ・マツモト氏は、「従来のトランスコーダ-では、1つのトランスコードLSIで1ストリームしか対応できなかったが、このLISでは、例えば、ブルーレイ・ディスクレコーダへ搭載した場合、デジタル放送のフルHD画質を2番組同時にH.264のHD画質での録画とこれら2番組のポータブル機器向けのトランスコードの合計4ストリームの同時トランスコードが可能」と説明した。

 また、リアルタイムでのトランスコード時の遅延については、「トランスコード処理の遅延は1ミリ秒以内を達成している」と説明した。そして、ポータブル機器向けのトランスコードについて「HDからWQVGAへのトランスコードでは10倍速だが、SDからWQVGAへのトランスコードだと20倍速となる(同氏)」という。

 なお、サンプルチップと評価キットは、11月上旬より出荷開始する予定で、日本における販売代理店は、イノテックが担当する。

ゼンバージ社CEOのアミア・モビニ氏

ゼンバージ社CEOのアミア・モビニ氏

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