【InterBEE 2011 PREVIEW】富士フイルム 光学デバイスコーナー HDTVレンズの新ラインアップ「FUJINON HA19×7.4」など次世代志向の光学レンズを多数展示
2011.11.11 UP
富士フイルムの光学デバイスコーナーでは高画質化に対応した次世代志向のTVレンズやシネレンズ、機能拡張アクセサリーなどを多数展示する。「地上デジタル放送への移行、40インチ以上の大型液晶テレビの普及拡大などを背景に、コンテンツの制作現場からは、より高画質・高性能なTVレンズやシネレンズを求めるニーズが高まっています。今回の出展製品はこうしたニーズを反映したものです」と光学デバイス事業部 第二レンズ商品部 営業グループ テレビレンズ営業チームの保坂 浩之氏は展示の狙いを語る。
レンズ製品は用意されている主要メーカーのカメラに装着し、機能や性能、映像品質などを実際に体感できる。主な出展製品は以下の通り。
■光学性能が大幅に向上した「FUJINON HA19×7.4」
TVレンズ製品の展示の目玉は、11月下旬より発売を開始するポータブルタイプのHDTVレンズ「FUJINON HA19×7.4」。最先端の光学シミュレーション技術を駆使し、高精度な大口径非球面レンズを採用したレンズ設計とすることで、コンパクトながら高い光学性能を実現した。
焦点距離7.4mmから141mmまで対応し、大画面テレビの中心部から周辺部まで高画質な映像を実現できるのが特徴である。ズーム時の収差変動を極限まで抑える「3群ズーム方式」を採用しており、特に周辺部の解像力が大幅に向上しているという。
最短0.55mまで近づいて撮影することが可能。内蔵の2.2倍のエクステンダーを使用すれば、望遠焦点距離を310mmまで伸ばすことができる。このほか、2/3" HDポータブルレンズ「HAシリーズ」の既存製品も多数展示する。
■4Kを超える解像力を発揮する35mmPLマウントズームレンズ「HKシリーズ」
シネレンズで注目したいのが、35mmPLマウントズームレンズ「HKシリーズ」である。焦点距離75mmから400mmでズーム比5.3倍の「HK5.3×75」、焦点距離18mmから85mmでズーム比4.7倍の「HK4.7×18」などを展示する。
高画素撮像素子を搭載したデジタルシネマ用カメラの普及に伴い、映画用カメラレンズには、従来の水準を超える解像力とワンランク上の基本性能が求められる。「HKシリーズ」はフィルム・デジタル双方の映画用カメラに対応でき、デジタルシネマに求められる4K解像度を超える高い光学性能で、高画質な映像を実現する。「最近は放送局もさらなる高画質化を求めて、デジタルシネマ用のカメラを使用し始めています。『HKシリーズ』は幅広い放送局のニーズにも対応します」(保坂氏)。
なお「HKシリーズ」は高い光学性能が評価され、アメリカで開催される撮影関連機材の展示会「CINEGEAR(シネギア)」において、カメラの性能比較のための基準レンズに採用された実績がある。
■使いやすさと価格重視のレンズ製品も展示
最近は経済成長が著しい新興国でもデジタル化に伴ってHD化が進み、高画質番組の制作が増えている。新興国市場向けに、使いやすさと価格を重視したモデルとして、2/3" HDポータブルレンズ「XA-sシリーズ」、1/2"HDポータブル「HSシリーズ」「XSシリーズ」なども展示する。
そのほか、ワイヤレスでズームやフォーカスの操作が可能になる「ワイヤレスデマンドシステム」、対象の人物に瞬時にフォーカスする「PF顔認証」などの機能拡張製品も多数展示する。
光学デバイスコーナーは“ポストHD”ともいえる次世代向けの高機能レンズを中心に、幅広い撮影ニーズに対応したバリエーションに富んだ展示内容となっている。
(展示ホール8、ブースNo.8407)