【SIGGRAPH2009】CAUSTIC GRAPHICS リアルタイム・レイ・トレーシング専用ハードを展示

2009.8.7 UP

レイ・トレーシングをリアルタイム処理
FPGAで製品化「他社の5倍を実現」

 CAUSTIC GRAPHICSは、リアルタイム・レイ・トレーシング用ハードウェア「CAUSTIC GL」を開発・発表し、自社ブースで展示デモを行った。
 レイ・トレーシング(ray tracing)とは、波の伝播経路 (レイ) を追跡する計算法。光源から物体に反射して被写体にあたるまでの経路を光線ごとに計算し、それによって被写体に当たる光の光量や色などをシミュレーションする。計算するレイの数を増やすほど、リアルは表示が可能だが、計算負荷が重く、膨大な時間がかかっていた。特に、映画の演出で用いるような、デプス・オブ・フィールド(被写界深度)の表示においては、レイの本数を増やす必要があり、計算速度が落ちる。
 同社では、速度を上げるためのハードウェアを自社開発し、これによって他社の約5倍の計算速度を実現したという。同社の特徴は、ソフトでなくハードで速度向上をはかっている点と、APIを公開している点にある。APIを公開することで、他のデベロッパーがハードウェアとアクセスして自分のレイ・トレーシングに載せることができる。
 現在、同社の他に新しいレイ・トレーシング用のAPIを提案している企業にはNDIVIAがあり、当面は競合することになるようだ。
 同社の強みとして特に評価できるのは、FPGA化したハードを持っていることで、これはプロダクション向けに今年発表された。また、個人ユーザー用には比較的安価なユーザーカード(こちらはASICで、開発には数10億円の資金が必要)を来年発表予定とのこと。

#interbee2019

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