【ニュース】デジタルデザインスタジオ 一体型3Dカメラシステムを開発
2009.9.25 UP
SHVCシステム
にぎわうデモ会場
デモを説明する椛島氏
<<3Dライブ伝送をデモ>>
デジタルデザインスタジオ(株)(東京・品川)による最新3Dシステムのデモンストレーションが9月10日に開かれた。代表を務める椛島三統(かばしま みつのり)氏はCGI、アニメーション、バーチャル・リアリティ制作・開発の第一人者として知られている。
この度のデモでは3D(メガネ使用の立体映像)のライブ伝送、エンタテイメント、インダストリアルデザインなど各分野での活用に向けたシステムのプレゼンテーションが中心であった。
<<一体型3Dカメラを独自開発>>
中でも来場者の関心を集めたものものは椛島氏を始めスタジオや協力エンジニア有志が設計・開発した「ステレオスコーピックHDビデオカメラSHVC」だ。黒い立方体の筐体の内部には視差調整がデフォルトでアジャストされた2台のCMOS センサーカメラが収納されている。
つまり一体型3Dカメラで、製品としては世界初となる、シンプルな外観に2系統HD-SDI、カメラコントローラー用アウトプットを備え、本来なら数時間を費やすシビアな視差調整(右/左目)無しに収録現場ですぐに稼働できる。
<<米国ですでに先行販売>>
今年のNAB で発表、すでに米国先行発売が開始された。立体映像普及を目的に低価格を実現している。
3Dと聞くと映画やアニメーションなど比較的規模の大きいパッケージ作品だけを想定しがちだが、同カメラシステムは通常のビデオ感覚で運用できる為、番組、VP制作、イベント、科学研究といった幅広い用途での活用が期待される。先頃では農村工学研究所に納入された。
<<自然な奥行きを再現>>
”飛び出す”立体感よりも自然な奥行が再現されたモニター映像は実際の視覚に近くリアリティがある。日本が得意とするロボット工学やバイオ技術、航空宇宙開発といった分野との連携があればこれまでにないテクノロジーや商品・製品開発に寄与するものと思われる。
日本で立体テレビの研究が高品位テレビ(現在のハイビジョン)とともに始まったのは昭和38年東京五輪の直後と云われる。
「3D映像自体は理論的にも実用的にも古くから存在している。近年のデジタル技術の進歩によってあらためて脚光を浴びつつあるが、”珍しい、面白い”だけではまた一時のブームで終わってしまう。臨場感のみを追求するのではなく、立体映像によって得られる視覚情報が社会にもたらす可能性は大きい。経済や産業、文化、学術の中で普遍に存在するツールとして育てていきたい」と椛島氏は語る。
デジタルデザインスタジオ株式会社
〒140-0004東京都品川区南品川5-8-23FXビル
03-5769-0591
SHVCシステム
にぎわうデモ会場
デモを説明する椛島氏