フジテレビ MXFを核とした次世代番組配信スキームを提案
2007.11.22 UP
フジテレビジョン(東京都港区、代表取締役社長 豊田 皓)は、幕張メッセにて開催中のInterBEE2007において、フジテレビジョンが目指しているMXFを核とした次世代番組配信スキーム確立への取組みを披露した。
この番組配信スキームシステムは、フジサンケイグループであるフジミックと共同開発。MXFcastと呼んでおり、現在東北での実証実験プロジェクトで使用されている。(写真1)
MXFcastの主な機能は4つある。1つ目は、HDCAMと連動して、出力されるHD-SDIのTSを本編尺と同時間でMXFファイル化する「MXFラッピング(収録)機能」、2つ目は、MXFファイルの再生とMPEG2ファイルのデコードする「MXFアンラッピング&MPEGでコード(再生)機能」、3つ目は、複数の局間で同時送信が可能な「送受信機能」、4つ目が番組タイトルやEPG、著作権情報等のメタデータをXML形式で、また字幕をNABファイルとして格納する「メタデータ処理機能」がある。(写真2)
MXFcastの特徴について、技術局技術開発室企画開発部 主任の入野晃彦氏は「現在東北で行われているMXFの番組配信には、東北インテリジェント通信の回線(※11月26日訂正)を使用しており、通常のプロトコルでは50%〜60%の回線効率でしか伝送できないが、フジテレビで開発した伝送プロトコルにより、ネットワーク遅延の影響を受けずに、回線効率を98%まで向上することができることが最大の特徴」と話す。また「この伝送プロトコルは高機能映像ファイル伝送ソフトウェア「Filecast」の技術を利用している」との事である。
MXFファイルのメタデータ仕様について、入野晃彦氏は「現在のMXFファイルのメタデータ仕様には、Qシートの内容をそのまま入れる仕様になっていない。また、字幕データを組み込む仕様もないため、独自仕様となっている。ただし、将来仕様が策定された場合には、合致した形での格納が可能」と説明した。(IT・放送技術コンサルタント 隅倉 正隆)
【提供元 映像新聞社】