【Inter BEE 2009 見どころピックアップ!】東陽テクニカ 心理音量の国際標準に準拠 独RTW社製 音声波形モニター ラウドネスファミリーを出展

2009.11.6 UP

RTW社製の音声波形モニターのラウドネスファミリー
ピクセル・インスツルメンツ社のリップ・シンクアナライザー

ピクセル・インスツルメンツ社のリップ・シンクアナライザー

左から堀田氏、取締役の清水久雄氏、南澤氏

左から堀田氏、取締役の清水久雄氏、南澤氏

 東陽テクニカは、ドイツのオーディオモニター・メーカーRTW社製の音声波形モニターのラウドネスファミリー、サラウンドモニターを出展するほか、米国のピクセル・インスツルメンツのリップシンク・アナライザー。オーディオ・プレシジョン社のオーディオアナライザーAP×585、P1DD、ゴールド・ライン社の、音響アナライザーTEF25などを出展する。

 RTW社のラウドネスファミリーは、サラウンド・モニターのサラウンド音の広がりを測定するデジタル・オーディオベクトルスコープ。新製品の10500X-PLUS型は、ITU-RのBS.1771. に準拠したラウドネス(心理音量)メーターを搭載している点が特徴。
マルチメディア計測部 南澤貞巳氏はITU-R BS.1771について、次のように説明する。「放送のデジタル化、高品質化により、CMと番組の音量差の問題が改めて注目されており、そのための対応が急がれている。AESにおいても、セッションが設けられており、米国でも大きな課題となっている。そうした中で、ITU-Rが2004年から、標準仕様の策定を始め、2009年7月にようやく仕様としてBS.1771が発表された。10500X-PLUSは、そのBS.1771に対応した製品」
 「ラウドネスメーターは、電気的な信号のチェックではなく、心理音量を測定する。これは、人間が耳で聞いてどれだけうるさく感じるか、という点を注視している。これまではいろいろな技術が各メーカーから製品化されていたが、スタンダードがなかなか生まれなかった。放送のデジタル化の流れの中で、重視され、標準化が進んだ」
 製品はすでに昨年7月に発売されており、その時点でBS.1771の仕様に沿った製品となっている。これは、RTWの設計チーフがITUの委員として参加していることから、素早い対応が可能となったという。実際にBS.1771には、RTWの提案も含まれており、機器には、規格にないメーターも作り込まれている。
 InterBEEの同社ブースでは、Blu-rayのテストディスク、デモディスクを素材として再生し、画面でモニタリングしながら、5.1のスピーカーを聞きながら調整するデモを行う。


 米国のピクセル・インスツルメンツ社のリップ・シンクアナライザー「LipTracker」は、映像における話者の唇の動きと音声とのずれを測定する。
 これまでは、測定用の信号(フラッシュとブザー)を入れることで測定していたが、同製品では独自の技術によって、素材自体のリップシンクからリアルタイムで測定する。パンニングの映像にも対応する。
 主な用途としては、ポストプロダクション、プリプロダクションの収録・アフレコの場面でのずれの発生を検知する。また、データ圧縮時のずれなどにも対応するという。
 マルチメディア計測部の堀田亨士氏は次のように説明する。
 「映像制作工程がデジタル化したことで、映像と音のずれが発生する場面が増えている。これまでは、測定する機器自体がなかったため、勘に頼らざるを得なかったが、ずれが生じる場面が多く、音と映像のどちらに併せるかなども含め、制作工程で混乱を来しやすいことを考えると測定器による正確なチェックは不可欠」
 今年の6月から発売されている。製品は米国製だが、口の大きく開く母音を拾うことで、言語に関係なく抽出が可能。現在は、SD対応のみだが、HD-SDI入力にも対応する方向で開発を進め、2010年以内に製品化の方向。
 「手法自体がまだ、一般的ではないが、作業工程を効率的にするめるために必要なツールとなる。会場でぜひ、測定の精度を試してもらいたい」
 今後は、SDIのデータをソフトで解析しているため、さらに高速化を図れる
 会場でのデモは、リファレンス用の素材映像を取り込み、ファイナルカット上でチェックをする。

 米オーディオ・プレシジョン社のオーディオアナライザ APx585、P1DDは、HDMIの入出力がついたマルチチャンネル・アナライザー。
 オーディオ・プレシジョン社は、25年の実績を持つオーディオ機器開発会社。2006年に、サラウンド対応として、アナログ8出力・8入力に対応したマルチチャンネル・オーディオ・アナライザーを開発した。今回は、さらにHDMIの入出力に対応している。
 機器開発メーカーの研究・開発・設計段階における音声信号測定に使用する装置。これまでHDMI信号の電気特性を見たり、接続情報のプロトコルを調べる装置はあったが、HDMI信号のオーディオデータを解析する機能はなかった。今回、エンジニアとしての要望に応える形で製品化した。

ピクセル・インスツルメンツ社のリップ・シンクアナライザー

ピクセル・インスツルメンツ社のリップ・シンクアナライザー

左から堀田氏、取締役の清水久雄氏、南澤氏

左から堀田氏、取締役の清水久雄氏、南澤氏

#interbee2019

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