【CES08】ブルーレイ・ディスク協会が記者発表会
2008.1.11 UP
CES2008の初日である1月7日、ブルーレイ・ディスク協会は記者会見を開催し、一般消費者にブルーレイを認知してもらうためのキャンペーンの紹介や、ブルーレイディスク市場の現状について発表した。ワーナー・ブラザーズがCES開催直前にHD DVDのサポートを取りやめることを発表したため、事実上一気に市場シェアを獲得したという「勝ち組」の雰囲気がただよう記者会見となった。
★ワーナーからも参加
壇上に並んだのは次の通り。CES開催直前にブルーレイのみをサポートする方針を発表したワーナー・ブラザーズからも担当社長が参加した。
○ブルーレイ・ディスク協会会長のアンディ・パーソンズ氏
○20世紀フォックスの技術担当副社長ダニー・ケイ氏
○ソニーピクチャーズ・ホームエンターテインメントのワールドワイドプレジデント ディビッド・ビショップ氏
○ウォルト・ディズニースタジオ・ホームエンターテインメントのプレジデント・ワールドワイドであるボブ・チェイペック氏
○ワーナー・ブラザーズ・ホームビデオのプレジデント・ワールドワイドであるロン・サンダース氏
○ライオンズゲート・スタジオ社長のスティーブ・ビークス氏
司会のバーソンズ氏は壇上のパネラーを紹介し、ワーナーのサンダース氏について「皆さんが話を聞きたい唯一の人ですね」と冗談を述べ、会場を笑いに包んだ。パーソンズ氏はワーナーがHD DVDのサポートを取りやめることを発表した1月4日が金曜日だったことから「先週の金曜日に市場シェアがシフトした」と冒頭で述べた。バーソンズ氏は、07年の米国におけるブルーレイとHD DVDのソフトウェアの売り上げが、それぞれ64%と34%という結果になったと説明した。また07年の全世界におけるソフトウェアの市場シェアも米国と同じくブルーレイが64%、ハードウェアについてもブルーレイが85%のシェアを獲得する数字になったという。ハリウッドの映画スタジオが著作権を持つコンテンツのシェアで見ると、ワーナー、ファックス、ソニー、ディズニー、そしてライオンズゲートの合計が約68%になる。HD DVDをサポートする2つのスタジオ、ユニバーサルとパラマウントのシェアの合計が約22%で、その他が約10%だという。パーソンズ氏によるとその他の10%も多くがブルーレイを支持しているので、ハリウッド映画におけるブルーレイのシェアは70%以上になるということだ。
★デバイス売り上げ4000万台、10億ドルに
20世紀フォックスの技術担当副社長ダニー・ケイ氏は、ブルーレイデバイスと、ディスクの売り上げ数などを説明した。07年のブルーレイのデバイスの売り上げ台数はブルーレイプレーヤーとソニーのプレイステーション3を合わせて350万台で、ソフトウェアディスクに関しては560万枚が販売された、と述べた。08年の予想はデバイスの売り上げ台数が4,000万台、金額にして10億ドルに上ると予想されている。
ケイ氏は2010年ごろからブルーレイのような大容量ディスクがDVDに加速的にとって変わり始めることが予想される市場の変化をグラフで説明した。
ソニーピクチャーズ・ホームエンターテインメントのワールドワイドプレジデント ディビッド・ビショップ氏は、ブルーレイの機能について説明した。まずビショップ氏はソニーのプレイステーション3(PS3)にバンドルで映画ディスクをつけて販売するなどし、消費者にPS3がゲーム機だけでなく、ブルーレイディスク・プレーヤーでもあることを認知してもらうように努力を続けると述べた。
ブルーレイディスクのメインの機能は双方向機能だ。プレーヤーをインターネットに接続して映画の情報や予告編がダウンロードでき、またボーナスシーンの再生や、ピクチャーインピクチャーという機能もある。
★ディズニーがキャンペーン
ウォルト・ディズニースタジオ・ホームエンターテインメントのプレジデント・ワールドワイドであるボブ・チェイペック氏は、ハイデフィニションと大容量ディスクについて消費者の認知度を上げるためのキャンペーン等について説明した。
ディズニーはディズニー・マジカル・ブルーレイツアーを米国の要所で開催し、一般消費者にブルーレイの映像を大画面ディスプレイで自由に視聴してもらうという。このツアーはカナダのトロント、ナッシュビル、デンバー、ダラス、ノースカロライナ州のローリー、コネチカット州ハートフォード、フロリダ州パームビーチ他の都市で順を追って開催される。
★「私たちの勝利だ!」
ワーナー・ブラザーズ・ホームビデオのプレジデント・ワールドワイドであるロン・サンダース氏は2007年にブルーレイの認知度を高める広告について説明した。
広告は年の始めから後半になるにつれて、「Experience Blu」(ブルーを体験してみよう)、「I Do Blue」(わたしはブルー)、「The Future is Blu」(将来はブルー)というスローガンを掲げたという。その結果、2006年の年末の調べで、一般消費者に対する認知度が25%だったものが、2007年の同時期には80%まで上がった。
最後の挨拶に立ったライオンズゲート・スタジオ社長のスティーブ・ビークス氏は、「私たちの勝利だ!」と述べ、会場を盛り上げた。
会見後の質疑応答のやりとりで、ソニーピクチャーズ・ホームエンターテインメントのディビッド・ビショップ氏は「ユニバーサルにみんなで言ってくれれば気が変わるかも。スイートの番号を教えるからみんなで行ってきてくれ」と述べ、会場を笑いに誘った。
[写真1]記者会見会場は、多くの記者で埋め尽くされたが、通常の会見にはない、なごやかな雰囲気が終始ただよっていた。
[写真2]会長のパーソンズ氏のコメントに苦笑するワーナーのサンダース氏
[写真3]ハリウッド大手スタジオの次世代DVD販売シェア
[写真4]双方向機能を生かしたコンテンツも紹介された
[写真5]世界の次世代DVDのシェア。ソフトが66%(ブルーレイ):34%(HD DVD)で、ハードはなんと85%(ブルーレイ):15%(HD DVD)という
【提供元:映像新聞社/CES(2008/1/8)】