【Inter BEE 2011】NEC 超解像技術による高画質化アップコンバージョンをデモ
2011.11.18 UP
単純なアップコンバージョン(左)に比べると、先鋭度が向上した
NECは、超解像技術を用いた高画質化アップコンバージョンをデモした。従来のアップコンバージョンでは、走査線本数は増えるが画質は向上しない。超解像技術により画質向上と走査線本数の増大が同時に行える。
■演算処理で素材映像より高解像度を実現
NECは、超解像技術を用いたアップコンバージョンを出展した。超解像とは、ソースよりも高い解像度を演算処理によって得るものである。一般のアップコンバージョンは、走査線本数こそ増えるが、解像度が増すわけではない。走査線が増えても、解像感は低下し「ぼやけた」映像となる。これに対して、超解像は解像度が高まり、映像の解像感(先鋭感)は向上する。同社は、これまでの1枚画像からの超解像などの技術を追求しており、昨年はこの技術を用いた超解像トランスコーダ「SR-1100」を発売している。
今回、同社は複数画像(動画)からの超解像をデモした。一般に動画の場合、動きによりフレーム間の相関が低下するため、超解像を行うのは難しいとしている。昨年までは、飛び越し走査画像から順次走査画像に変換する(IP変換またはデ・インターレース)際に情報が欠ける部分があり、それが原因で画質の低下が起きていた。今年は、動きベクトルを有効利用することで順次走査への変換処理の精度を高め、動画の中から超解像に使用できる”有効成分”を効率よく見つけ出すことに成功した。その結果、昨年までは画像中で超解像処理が出来なかった部分も破綻無く映像が得られている。
同社は、この技術を過去の映像資産の画質向上に使いたいとしている。なお、今回のデモは非リアルタイムの処理であるが、並列化を活用することで処理速度を上げられるとしている。
単純なアップコンバージョン(左)に比べると、先鋭度が向上した