【CEATEC2011】NICT 業界最大の200インチ裸眼対応3D映像表示技術を披露
2011.10.26 UP
右に移動すると車内がより広く見えてくる
横に移動すると光沢が変化する
NICTのブース
情報通信研究機構(NICT)は裸眼による大画面立体映像表示技術を開発した。NICTのブースでは、この技術を活かし、200インチ型ディスプレイでの3Dコンテンツの視聴体験を行っている。横に移動しながら見ると、前面のオブジェクトに隠れていたものが見えるなど、リアルに近い立体感を堪能できる。
■眼鏡なしでハイビジョンの立体映像を視聴可能に
NICTが展示する、200インチ裸眼対応の3D映像表示技術はJVCケンウッドとともに開発を進めている技術。裸眼対応での200インチの3D表示技術は業界最大のものだ。
高解像度と自然な立体感を実現するため、57個のプロジェクタアレイの映像を特殊な拡散フィルムと集光レンズを通してスクリーンに表示する。これにより、200インチのスクリーンで、視差数57、1920×1080画素数、フレームレート60fps、視域幅1.3m、視域角13.5度を実現している。
メリットとしては特殊な眼鏡をかけずに立体映像を視聴できること、ハイビジョン画質の高精細な立体映像を表示できることなどが挙げられる。大画面なので、人や車などの大型被写体も実物大で表示できる。視聴者の見る位置に応じて自然に変化するリアルな立体表示が可能なことも大きな特徴だ。
■見る位置で見え方が変化するリアルな映像
ブースでは来場者向けに200インチ型ディスプレイでの3Dコンテンツの視聴体験を行っている。静止画コンテンツだが、2Dと3Dの見え方の違いや実物大の車の映像などを大画面で堪能できる。なかでも車の映像は、正面から見ると開いたドアに隠れて見ないハンドルが、横に移動すると見えてくる。実物を見るのと同じように、移動する位置に応じて見え方が変わってくるというリアルなものだ。車体の光沢の変化なども見る位置で変わってくる。
用途としてはデジタルサイネージや工業デザイン分野での活用を考えている。圧縮・伝送・符号化の技術を高め、遠隔コミュニケーションツールとしての活用も視野に入れる。今後は視域の向上など技術的課題を改善していき、2年後に大阪駅北口でのデジタルサイネージの実証実験に臨むという。
右に移動すると車内がより広く見えてくる
横に移動すると光沢が変化する
NICTのブース