BIRTV 2007 -北京オリンピックを1年後にひかえて-

2007.8.24 UP

第16回北京国際ラジオ・テレビ・放送映画設備展覧会(BIRTV 2007:Beijing International Radio,TV & Film Equipment Exhibition)が8月22日-26日の4日間、中国国際展覧センター(北京)で開催された。

国内外の426社が出展し、映像制作、新メディア・新事業、ネットワーク・配信、ラジオ音声、プロオーディオ、シネマ関連など多くの専門展示ブースが設けられ、展示面積は5万平方メートル。最新の開発成果が発表され、来場者は55,000名となった。

4億台のテレビ保有数と世界最大のテレビ放送ネットワークを持つ中国で開催するBIRTVは今年で20周年を迎え、近年、日本のInter BEE、米国NABおよび欧州IBCと並ぶ世界主要の放送機器展の一つとなってきている。

また、同展覧会は中国の放送関連の展示会としては成功例のひとつとの評価を受けており、国内外の先進メーカーはBIRTVを、中国市場での最新製品を発表しマーケティングを行うにあたって最も重要なイベントと位置付けている。今年も全国各地の放送専門家やテレビ局関係者が代表団を組んで来場したほか、ビジネスパートナーを求める代理店も多く来場した。

今回のBIRTV 2007では、北京オリンピック開催まで1年を切った中国において、デジタル化、HD化が急速に進む中国の放送市場に向けたスポーツ競技用の撮影機材などの最新機器の展示や最先端ソリューションの提案が数多く見られた。

BIRTVでは日本企業の出展も多く、パナソニックでは、2008年北京オリンピックに向け、『高清旗幟、激情奥運』(=「最先端HDで、情熱的なオリンピックを」の意)を展示テーマとして出展。 HD化とIT化を軸に、北京オリンピックで公式フォーマットに採用された放送用半導体メモリーシステム「P2 HD」や「DVCPRO HD」シリーズ、HDシステム機器などを紹介した。

ソニーでは、“協作共贏未來(Your Partner-Today and Future)”をテーマに、ブース内に4Kデジタルシアターと1080/50Pスタジオを設置、ハリウッド映画の7大スタジオが構成する業界団体DCIが定めたデジタルシネマの要求仕様に準拠した4Kデジタル映像を上映した。また、青紫色レーザー技術を採用した「XDCOM」に関する機器、液晶によるマスターモニター「BVM」シリーズ等を紹介した。

日立国際電気は、HDTVシステム、HDTVカメラSK-3200Pシリーズ、SK-HD1000、HV-HD30ボックスカメラに加え、高画質A/D 14bit SDTVカメラ SK-900、Z-3500Wなどを出展。また、新開発のデジタルFPU装置ならびに超低遅延コーデックの技術展示を合わせて出展した。

フジテレビはNTTと共同で、120ギガヘルツ帯ミリ波無線技術によるHD信号の無線伝送デモを実施した。 従来の技術では、HD信号を無線伝送する際に一定の遅延時間が発生していたが、同技術では、HD信号を遅延なく、かつ複数回線を同時に無線伝送可能であることを、2005年の東京お台場での公開実験および、Inter BEE 2005、NAB 2006、IBC 2006での公開デモで実証している。本技術の実用と普及を目指す両社にとって、オリンピックを来年に控えた北京でのデモンストレーションは、その周知広報活動において最適な機会であったといえる。 同技術は今回「BIRTV」賞を受賞した。

中国企業も躍進しており、映像制作ではSobey、DAYANG、Jetsen、TV局では、CCTVはもちろん、CMMB等のモバイル映像配信局も大きくブースを展開し注目を集めた。

#interbee2019

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