【NEWS】日本のVFX業界関係者による団体 VFX-JAPAN 発足へキックオフミーティング開催

2011.10.28 UP

多くのVFX関係者が集まった
VFX-JAPANの必要性を説明する秋山氏

VFX-JAPANの必要性を説明する秋山氏

ミーティングに登壇した参加者

ミーティングに登壇した参加者

 10月27日、VFX業界の発展、興隆を目指す団体VFX-JAPAN発足に先駆けたキックオフミーティングが六本木ヒルズオーディトリアムで開催され、団体設立を目指すことに参加者から強い期待が寄せられた。


 最初に挨拶に立ったVFX-JAPANの代表発起人である 映画監督 秋山貴彦氏は自身の日米両国での就労経験を元に、今や映像制作の必須工程であるVFXに携わる人たちの業界団体が必要であると訴えた。
 現在の映像はVFXが当然のように使われ、表現が高度になればなるほど、実写との違いがわかりにくくなり、結果的に関係者の存在が見えにくくなっている。もっと、VFXが行われている現場の状況や、日本の優れたVFXの表現技術を広く知ってもらいたいと。
 また日本のVFX業界が抱えるさまざまな問題がなかなか解決できず関係者のモチベーション低下や業界存続の危機を招いているという。そこで同氏は関係者の地位の向上を目指してVFX-JAPANを設立しVFXアワードの創設や税金・保険制度の支援、海外向けプレゼン機会の拡充、技術のアーカイブ、人材育成などを含む幅広い提言とその実現を図って行きたい、としている。
 こうした団体の存在は米国のVFX業界団体である VESを参考にしている。

■2012年4月に許認可団体として発足へ
 また同氏はVFX-JAPANは2012年4月を目指して正式な許認可団体としての発足予定との見通しを明らかにした。VFX-JAPANでは映画、テレビ、ゲーム業界などで働く特殊映像制作や視覚効果に関係するクリエータ、教育関係者、マーケティング関係者などへ幅広く参加を求めたい、としている。

 VFX-JAPANの当面の活動は、国際競争に勝つための国内税制や助成金、著作権の勉強会、制作パイプラインに関する研究会、VFX技術に関する研究会、制作予算標準化の研究会などいくつかの分科会の立ち上げとシンポジウムを行う予定。VFX-JAPANの今後の活動予定については http://vfx-japan.com で公開している。


■日本を代表するVFX関係者が一堂に集まる
 続いてキックオフミーティングでは、国内で活躍する樋口真嗣監督、荒牧伸志監督、マイケル・アリアス監督、大屋哲男氏、尾上克郎監督、佐藤敦紀氏を招いたシンポジウムが開催された。
 壇上では世代間での技術経験の継承やデモリールの権利扱いなどVFX業界の抱える多くの問題点の指摘があった。またかつての個人の力量に任されたVFXが今では集団ワークフローの機能に変わりつつある現状に関係して、技術と手法の進化の受け止め方についても活発な意見交換が行われた。未来が見えにくい現状ではあるが、VFX-JAPANの設立を契機にVFXの将来を見つめなおすのに良い機会である、との意見で幕を閉めた。

VFX-JAPANの必要性を説明する秋山氏

VFX-JAPANの必要性を説明する秋山氏

ミーティングに登壇した参加者

ミーティングに登壇した参加者

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