【CEATEC JAPAN 2009】マルチメディア放送とNTTドコモ、全国向けマルチメディア放送ISDB-Tmmのデモを公開
2009.10.23 UP
ISDB-Tmmに対応した開発中のISDB-Tmm対応受信機
ファイルキャスティング番組表を表示
<<アナログ終了後の新たな携帯端末向け放送「ISDB-Tmm」>>
マルチメディア放送とNTTドコモは、10月6日から10日までの5日間、幕張メッセで開催したCEATEC JAPAN 2009において、2011年7月24日の地上アナログテレビ放送停波後に空くVHF帯ハイバンドで実施される予定の携帯端末向けマルチメディア放送「ISDB-Tmm」のデモを公開した。
<<高品質ストリーミングとファイルキャスティングをデモ>>
NTTドコモは、携帯端末向けマルチメディア放送の全国向け放送規格「ISDB-Tmm」に対応した携帯電話を参考出展し、マルチメディア放送が提供予定の「高品質ストリーミングサービス」の送受信デモと「ファイルキャスティングサービス」のデモを実施した。
ISDB-Tmm方式では、最大720×480ドット、30フレーム/秒の映像を提供できる。また、リアルタイムストリーミング放送サービス以外に、ビデオファイルや音楽ファイル、電子書籍など多種多様なコンテンツを放送波を使いIPパケットで伝送し、自動的に携帯電話に蓄積させて、好きな時間に視聴することができる「ファイルキャスティングサービス」も提供される予定だ。
会場では、1チャンネルの「高品質ストリーミングサービス」と「ファイルキャスティングサービス」をVHF帯11chの6MHz帯幅を利用して送信し、6MHz帯域13セグメントを受信するチューナを搭載したシャープ製の「SH-01A」を今回デモで使用した。
<<ワンセグより高い解像度、30フレーム/秒できれいな映像を>>
「高品質ストリーミングサービス」の送受信デモでは、実際にH.264で圧縮した3Mbpsの720×480ドット、30フレーム/秒のストリーミング映像を放送した。ブース説明員によると、「ワンセグと違い解像度も高く、30フレーム/秒の映像なので、非常にきれいな映像を見ることができる」と説明した。
また、「ファイルキャスティングサービス」のデモでは、20〜30MBのビデオファイルをダウンロード放送した。
この「ファイルキャスティング」には、放送などの片方向の伝送路を用いてIPパケット形式でデータ配信を行うことが可能なFluteと呼ばれる通信プロトコルとIPパケットの多重化方式であるULEを使い、携帯電話内のメモリーカードへ蓄積する。
※Flute(File Delivery over Unidirectional Transport)
※ULE(Unidirectional Light weight Encapsulation for Transmission of IP Datagrams over an MPEG-2 Transport Stream)
<<コンテンツのダウンロード・サービスも可能に>>
ダウンロードで蓄積したコンテンツは、コンテンツ一覧から視聴したいコンテンツを選択して視聴する。コンテンツ一覧には、コンテンツのサムネイルとタイトル、料金表が表示されている。コンテンツ一覧から視聴したいコンテンツを選択すると「通信を使い認証・課金処理を行う流れとなる(説明員)」という。また、ファイルキャスティングの特徴として、「電波状況により受信しきれなかったコンテンツを通信を使い補完する機能を持っている」と説明した。
なお、マルチメディア放送のブースでは、「好みのコンテンツを手元にというサービスイメージ(ブース説明員)」のデモを行っていた。
ISDB-Tmmに対応した開発中のISDB-Tmm対応受信機
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