【ニュース】CG-ARTS協会 3D立体視映像の教育者育成のためのワークショップ参加者を募集
2011.7.17 UP
マッドハウスの協力による教材用3Dコンテンツ
ワークショップの時間割り
●教育機関の指導者、企業の人材育成担当者を対象に開催
CG-ARTS協会(財団法人画像情報教育振興協会)は、3D立体視映像の教育に必要な基礎知識や制作技術、カリキュラム構築の手法などについてのワークショップを8月25-31日の4日間、開催する。このたび、そのワークショップへの参加者の募集開始した。対象は、大学・専門学校、高校の教育指導者とプロダクションや放送局などを含めた企業の教育担当者。参加費用は無料。応募者に必要な資格などはないが、ワークショップでは、3D映像制作の演習で3D制作ツール「Maya」を使用するため、「Maya」が扱えることが必須となる。
●「現場の戦力となる人材を育成できる教育者が求められている」
CG-ARTS協会事務局長の宮井あゆみ氏は、ワークショップのねらいについて次のように説明する。
「映像制作、コンテンツ制作において、立体視映像が注目を集めているが、現状ではまだ、正しい知識や制作スキルが十分に普及・浸透していない。正しい理解がないままにコンテンツ制作をすると、視聴者・ユーザーに不快感を与えたり、人体に悪い影響を与えてしまうことがある。映像・コンテンツ業界にはまだ、立体視映像に関する知識や制作スキルを持った人材が不足している。 映像・コンテンツ業界は、世界的に日本のアニメやゲームコンテンツが注目されながらも、厳しい経営環境、人材不足の状況にある。そうした現場で求められている戦力となる人材を送り込める教育機関、教育者の育成が求められている」(宮井氏)
●教材、データはデジタルブック形態で提供
ワークショップでは、「立体視3DCGアニメーション制作」教育を行うために必要な知識と制作スキル、教育を行うための準備の方法を習得するためのプログラムが構成されている。ワークショップの資料として、デジタルブック形態の教科書、映像教材、3DCGソフト用データ教材などが用意されている。
ワークショップの講義、演習に参加することで、「立体視3DCGアニメーション制作」の基礎知識と表現技術を習得し、3D立体視教育に必要な教育範囲・教育内容・指導方法を理解できる。
最終的には、参加者の所属する機関に応じた「カリキュラム」と「シラバス」を作成し、「教材」や「知識テスト」、「実技課題」の活用方法や作成方法について制作実習を通じても習得する。また、プロダクションなど業界の最前線で3D映像制作に携わる関係者による業界動向などについての講義も用意されている。
●10月下旬にワークショップを開催
10月下旬には、成果発表会を開催し、ワークショップで作成された「カリキュラム」「シラバス」「教材」「知識テスト」「実技課題」などの成果について、プレゼンテーション・紹介を行う予定。
●マッドハウスの協力で立体視用コンテンツを教材として開発
CG-ARTSが今回作成した教育用ツールには、2種類の教科書と2種類のワークブックがつくられているが、すべてiPadに組み込まれており、印刷物によるツールを作成していないという。また、今回のツールのために、プロの手によって1分間の3Dアニメーションが制作されており、その制作工程で用いられた素材データなどがすべて教材として用いられている。マッドハウスの協力によって、同社の劇画映像の絵コンテを立体視用にアレンジして制作している。
ワークショップのプログラムとツール開発を担当した、教育事業部教育推進グループセクションチーフの小澤賢侍氏は、ツール開発の狙いを次のように話す。
「プロの現場では、OJTも含め、教育をするリソースが不足しているが、教育の場では、必ずしも現場に則した人材を提供できていないことがあり、教育と現場の間にギャップが生じている。プロで通用する人材を育成するには、まず教育素材もプロレベルの品質が重要であると考えた。日本のアニメーションの手法を知悉したプロによる3D映像のデータを見て、その技法や演出を理解してもらい、自らもオリジナルを作る体験をすることによって、現場で通用する3D映像のクリエイターを教育する知識と方向性を理解してもらいたい」
マッドハウスの協力による教材用3Dコンテンツ
ワークショップの時間割り