【Inter BEE 2014 TV】日立製作所 仏Dalet社のMAMシステムを日本で提供 放送局のカスタマイズにも柔軟な対応 豊富な導入事例のパッケージ製品で低コストのファイルベース化提案
2014.11.28 UP
Dalet GalaxyのGUIイメージ
Dalet Galaxyによるワークフロー設定イメージ
Hitachi NAS Platform
日立製作所は、Inter BEE 2014の自社ブース(ブース番号:5404)において、ファイルベースワークフローを支えるトータルソリューションとして、「制作・管理」「格納・共有」「ファイル受渡し」「アーカイブ」の4エリアを設け、9つの製品を中心に出展している。
「制作・管理」のエリアでは、Dalet Digital Media Systems社(以下、Dalet)と共同で、ワークフロー自動化、コンテンツ制作管理、アーカイブ活用などを提案する。
Daletはフランスを拠点に、メディアアセットマネジメント(以下、MAM)のアプリケーション、Dalet Galaxyの開発・販売を行っており、グローバルの放送・映像業界に多数の実績がある。InterBEEでは、Dalet Galaxyと日立のハードウェアの組合せにより、メディアアセットマネジメントシステムのデモンストレーションを展示している。
Dalet Galaxyのオープン性、カスタマイズの柔軟性と、日立の放送業界におけるSIの実績、品質の高さが評価されているハードウェアとの組み合わせにより、低コスト、かつ信頼性の高いソリューションを提供していくという。
■Daletの強み 〜使いやすいGUIとオープン性〜
MAMアプリケーションDalet Galaxyは,データベース,メディア処理,ワークフロー管理などを司るバックオフィスエンジンと多彩な機能をもったユーザー向けのアプリケーションで構成される。
それぞれの機能はモジュールとして提供され,必要な機能を顧客へ選択して提供できる。また,将来,機能や処理能力の追加が必要になった場合でも,モジュール,サーバーを追加することで容易にスケールアップができる。
ユーザーの利便性を高めるため,Dalet Galaxyの全ての機能は1つのクライアントアプリケーション上で提供され,GUIのカスタマイズ(レイアウト,ボタン機能,配置)も可能だ。
Dalet Galaxyのワークフローエンジンは,ワークフロー定義,自動化,可視化のためのツール類で構成され,ユーザーの求めるワークフローを定義できると共に,処理の自動化や,ワークフローに関連するデータの取得が行える。このデータは,リソースの再配置や追加を検討する有効な指標になる。
また,Dalet Galaxyはオープン・アーキテクチャの信念の元に設計されており,様々な外部アプリケーションやハードウェアと連携し,既存のシステムを有効利用した統合的なソリューションの提供が可能だ。
■なぜ日立×Daletなのか?
Daletはすでに各国のSIerなどと提携し、 韓国のMBC、シンガポールのメディア・コープなど、世界の放送局、メディア関連企業300社以上への導入実績を持つ。 一方日立は、国内キー局のテープレス化やアーカイブシステムの構築などに携わってきたという点で、国内放送業界での経験が豊富だ。今回のInter BEEでの提案は、日立のシステム提案力を生かして、 Daletの特長を日本の放送局へ適合させるという新たな取り組みといえる。
日立製作所 情報・通信システム社通信ネットワーク事業部 社会ソリューション本部ソリューション第三部担当部長の森腰勝敏氏は、 Daletとの連携のねらいと背景について、次のように話す。
「この数年、キー局の報道システムのテープレス化が進みましたが、今後は、キー局の番組システムや、地方各局でテープレス化が進んでいくと見られます。重要なのは、各局がこれまで築いてきたワークフローを崩すことなく、現場の制作環境を生かしながらスムーズにファイルベース化を進めていくことです。これまで国内のファイルベースシステムはスクラッチ開発が主流でしたが、低コストでの導入が求められるシステムの場合、大規模なスクラッチ開発がそぐわないケースも、今後は多くなると考えられます。」(森腰氏)
従来のワークフローは変えたくない、しかし、コストは下げたい、という相反する顧客の要求に対して、「Dalet Galaxyは、その柔軟性によりお客様の既存のワークフローを活かしたシステム設計が可能です。一方で、パッケージ製品を活用するため、スクラッチ開発よりも安価に提供できることがポイントです。」と森腰氏は語る。
Dalet Galaxyは、柔軟なワークフロー定義機能と多様な他社製品とのインテグレーションを利用することで,顧客の希望に限りなく近づけたワークフローを実現できる。
ここに、日立の実績と経験を組み合わせることで、「カスタマイズの柔軟性」と「低コスト」を両立させるソリューションを、国内の放送・映像業界に提供していきたい、というのが両者の狙いだ。
■日立×Daletによるスムーズなファイルベースシステムへの移行
システム導入の際は、豊富な機能を備えたDalet Galaxyをベースに、顧客のワークフローに合わせたGUIの調整などを日立が実施。スムーズな移行ができるように支援する。また、アプリケーションの新規開発が必要な顧客要望については、日立からDaletのR&D部門へ開発依頼を上げることも可能だ。
例えば、Dalet Galaxyを導入したある放送局では、データ検索のGUIをWindows8のようなタイルメニューによるタッチパネル式にしており、Dalet Galaxy導入後もそのスタイルを踏襲したいという要望があった。Daletは同顧客のために、新たなGUIを開発することで、この課題を解決した。さらにその後このGUIは、Dalet Galaxyの標準機能として組み込まれている。現場のフィードバックを柔軟に取り入れ、グローバルに共有されるというDaletならではの事例である。
日立は今後、Daletとの連携によるMAMシステムを、放送業界に留まらず、公共機関や自治体、製造業など、映像によるコミュニケーションや映像情報の管理・運営を行う幅広い分野に提案していくという。
■ファイルベース化を支える様々なソリューション
InterBEEでは、MAMシステムを支えるストレージとして、Hitachi NAS Platform (以下、HNAS)も展示する。HNASの大きな特徴は、データアクセス用のFPGAを自社開発したことで、高速なデータアクセスを実現できる点である。シーケンシャル/ランダムアクセスが混在する業務でもパフォーマンスを発揮できるという。海外では各種アプリケーションとの性能を含めた検証を実施し、放送業界に多くの導入実績を持つ。
このほかにも、4K/8K映像コンテンツなど、さらなる大容量データに高速アクセス可能なSANファイル共有システム「StorNext」、Daletの高品質トランスコーダ「Dalet AmberFin」、インターネットで高速大容量データ転送が可能な「JP1/Data Highway」、LTO-6のテープライブラリや、光ディスクライブラリによるアーカイブなど、日立ブースではファイルベース化を支える多彩なソリューションを展示する。
(株)日立製作所
本社住所:東京都千代田区丸の内1-6-6
URL:http://www.hitachi.co.jp/
映像・放送関連機材部門 /ホール5 /5404
Dalet GalaxyのGUIイメージ
Dalet Galaxyによるワークフロー設定イメージ
Hitachi NAS Platform