【Inter BEE 2014】TBSテレビ KDDIと共同開発による制作者向け「BooBoクラウド」を展示 Google Cloud Platformを活用し編集中の映像をネット上で簡単に共有可能に
2014.12.12 UP
スマホを扱える人なら誰でも簡単に操作できる
BooBoクラウドの構造を大まかに示した図
Connectedの会場の中央で来場者の興味を引いていた
TBSテレビは、KDDIと共同の形でInterBEE Connectedに出展。クラウドサービスを駆使して開発した番組制作現場のためのリアルタイムな情報共有システムを展示した。「BooBoクラウド」と命名されたこのシステムは、まさにこれからの現場に必要となりそうな使い勝手のよさが織り込まれている。
ひとつの番組の制作過程では、何人ものディレクターが様々な映像制作に取組んでいる。それぞれの映像を、編集プロセスの様々なタイミングで確認する必要がある。そのたびに関係者が全員集まるのは難しいため、最近ではネット上で共有する工夫が個別に行われていた。
TBS開発の「BooBoクラウド」は、その解決となるひとつのソリューションだ。Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)の機能をフルに活用。「Google Apps Unlimited」を組み合わせることで、大容量映像ファイル(HD放送クオリティ)をクラウドに高速転送し、マルチデバイスでの閲覧に対応。PCやスマートフォン、タブレットなどで技術的な知識がなくても誰でも使えるシステムとなっている。
ディレクターやエディターは作業を進める中で、確認が必要な映像をクラウド上にアップロードする。「確認お願いします」などのコメントをつけることも可能。それを受けて、制作プロセスのそれぞれの過程で確認が必要なスタッフがクラウド上で映像を確認。オーダーをコメントで返すことができる。
映像はいちいちダウンロードする必要がないので作業に時間はかからない。さらに現在、ユニゾンシステムズと協力して、TBSが開発した特許を用いた高速ファイル伝送技術「STORM」を活用したより高速なファイルアップロードを目指して実験中という。操作はスマートフォンでふだんのメールのやりとりのように簡単にできてしまう。会社にいてもロケ先にいても、あるいは自宅にいても映像確認もコメントもできてしまうので、集まる必要がほとんどなくなる。全体の作業効率がかなり高まるだろう。もちろん、IDをきちんと管理すればセキュリティも万全だ。
制作スタッフの間では、動画投稿サイトを利用して映像確認する例も見受けられるようだが、プロフェッショナルユースではないので決して安心とは言えない。クラウドサービスの活用による安全なこうしたシステムは、映像制作の現場でまさに必要となっている。まだ販売する段階ではないとのことだが、今後の開発の進展には期待したい。
スマホを扱える人なら誰でも簡単に操作できる
BooBoクラウドの構造を大まかに示した図
Connectedの会場の中央で来場者の興味を引いていた