【NEWS】シャープ 米Qualcomm子会社と共同でIGZO技術を用いたMEMSディスプレイ開発へ
2012.12.6 UP
シャープは12月4日、米Qualcomm Incorporated社の子会社であるPixtronix(ピクストロニクス)社と、MEMSディスプレイを共同開発することに合意したと発表した(MEMS=Micro Electro Mechanical Systems 微小電子機械システム)。これに伴い、3G、4G、および次世代無線技術を持つクアルコムと出資契約を締結し、同社を割当先とした第三者割当による新株式の発行を行う。
両社が共同開発するMEMSディスプレイは、微細な加工技術を利用したディスプレイであり、優れた色再現性と低消費電力に加え、既存の生産インフラを効率的に活用できる。シャープのIGZO技術と、ピクストロニクスのMEMSディスプレイ技術を統合して実用化を目指す。シャープ米子株式会社(鳥取県米子市)にある液晶パネル工場に、実用化に向けた開発を行うための設備を導入する。
また、共同開発を推進するために、クアルコムから最大で約99億円の出資を受け入れる予定。資金は、MEMSディスプレイの開発および設備投資費用に充当するという。 シャープは、次世代ディスプレイの開発と必要な投資を直ちに開始し、実用化に向けた技術開発に目処が立った段階で、装置を導入し、量産化技術の確立に向けた次のステップに進むという。
シャープは同契約を契機に、クアルコムの100%子会社でチップセット開発を行うQualcomm Technologiesと、IGZO技術を用いたモバイル機器の低消費電力化と高機能化を実現するための開発を進める。
シャープは今後、IGZO技術を核とした中小型液晶事業の成長戦略を加速させ、収益の拡大ならびに当社企業価値の向上に取り組んでいく。