【NEWS】映画テレビ技術協会 新年名刺交換会を開催 「映像技術と才能の交流・出会いの場に」
2013.1.11 UP
経産省 メディア・コンテンツ課 伊吹氏
東京国際映画祭 チェアマン 依田氏
■島谷会長「人の心を動かすコンテンツを支える映像技術」
一般社団法人 映画テレビ技術協会は1月9日、東京・千代田区の如水会館で「新年名刺交換会」を開催した。
新年の挨拶に立った、島谷能成会長(東宝 代表取締役社長)は、同協会が今年で創立66周年になること、また、昨年4月から社団法人から一般社団法人への移行が認可されたことなどを紹介し「66年の長きにわたり、協会が続いていることは大変なことだと改めて感じ入った」と述べた。また、映画の技術からはじまり、テレビ、デジタル映像、インターネットなどのさまざまな技術が加わることで、映像技術が分化・多様化する状況を、 ダーウィンの進化の木(系統樹)になぞらえ、「(技術の)裾野も広く、加盟会社数も多く、守備範囲も広い。まるで大きな木になっていくような状態がこの協会の現状ではないか」と指摘した。
続けて「ここ数年来のデジタル映像技術の発展は、我々の想像を遥かに越えている。まるで細胞が増殖するかのように、複雑な発展を遂げ、どこまで発展するか定かではない。この優れた道具は、直近では人類が見つけ出した一番すばらしいもの。この道具を使って、新しい才能、作品が花開いてくれたらと思う」と述べた。
島谷氏は続けて、「今年はすばらしい3つの作品と出会った。正月興行を支えた東映の映画『ワンピース』、東宝東和 配給の映画『レ・ミゼラブル』、そして、年末に開催された桑田佳祐のカウントダウンライブもすばらしい作品だった」とし、「強力に人の心を動かすコンテンツがあれば、デジタル機器ももっと光ってくるし、あるいはそういうものを使って人を感動させるものをつくろうという若者がどんどん出てくる。実際、アニメーションやゲームの世界には、新しい才能が一杯でてきている。そういう人たちとの出会いも含めて、この協会がますます大きくなれば」とし、「会員みなさんの交流を広げたり、あるいはコラボレーションのきっかけになる。そういう協会になっていきたい。今年もみなさんといっしょにこの輪を大きく広げていきたい」と抱負を語った。
■経産省 メディア・コンテンツ課 伊吹氏「映像技術はコンテンツ市場拡大の土台を支える重要な役割」
来賓として挨拶に立った、経産省 商務情報政策局 文化情報関連産業課(メディア・コンテンツ課)課長 伊吹英明氏は、次のように挨拶をした。
「今年は、一般社団法人に移行されて新たな年を迎えられるということで、ともに明るく元気にがんばっていきたい。昨年末に政権交代をし、一昨日、日本経済再生本部が立ち上がった。クールジャパンコンテンツの海外展開が施策の大きな柱になる。色々な形でしっかりと支援していかねばならない。我々は、市場を広げる応援をするが、その土台の部分で、映画テレビ技術協会には、技術に関する人材の育成や映像に関する国際的な規格の審議をするという役割を担ってもらっている」
「映像の世界はデジタル化が進んでおり、ここ1週間でも4Kの報道が出ている。技術はどんどん進み、デバイスもどんどん変わって新しいものができていくが、もの・中身をつくっていき、そのものづくりを支える技術がなければ、どんなに新しいメディアができても人々の心を打つ作品は届かない。映像技術無くして、映画やスマートフォン、テレビなどの業界は成立しない。ぜひ、大ヒットを支えているという気概を持ってがんばってもらいたい」
■東京国際映画祭 チェアマン 依田氏「日本ならではのハードとソフトの調和が躍進の鍵」
続いて、乾杯の発声の挨拶に、東京国際映画祭 チェアマン、ギャガ 代表取締役会長兼社長CEOの依田巽氏が登壇し、次のように挨拶をした。
「その昔、ハードの業界に身を置いたものとして、日本のハードの力強さは世界に有数のものであると認識している。日本ならではの高い技術力をベースにしたハードによって、多くのコンテンツは支えられている。今年は、国を挙げてコンテンツに力を入れようとしており、 映画、放送、アニメ、漫画、音楽、あらゆるコンテンツがこれから大きく羽ばたく。コンテンツという言葉ができて10年たち、いよいよ日本も最後のチャンスに来ている。世界のソフトビジネスも必死にがんばっており、今、差が離れつつあるが、日本には、どこの国にもない強さを持つハードの高い技術とソフトの強いパワーがある。 ソフトが立ち上がるためには、日本が誇るハードのみなさんときちんと調和して、両輪で世界に打って出なければならない。ぜひ、映画テレビ技術協会が、コンテンツの業界に協力をいただきたい」
経産省 メディア・コンテンツ課 伊吹氏
東京国際映画祭 チェアマン 依田氏