【NEWS】ドキュメンタリー映像に関するビジネスマッチング・セッション「アジアン サイド オブ ザ ドック」 制作会社・バイヤー間で活発な商談が展開
2012.3.29 UP
ピッチングセッション
個別交渉用テーブルで熱心な商談が行われた
個別交渉のための個別テーブル予約表
■「日本復興の姿を世界のドキュメンタリー関係者に」
アジアンサイドオブザドック2012が3月19日から世界のドキュメンタリー映像関係者500人以上の参加のもと、ベルサーレ汐留で三日間にわたって開催された。
開会に先立って、運営者であるバンプロダクションのKeiko氏が、このイベントが去年の大震災から一年経過して開催されることになり、日本の再構築、復興の姿が世界のドキュメンタリー関係者に大きな影響を与えることになるだろう、として映像の国際共同製作を通して東北の復興支援を行うように訴えた。
同イベントでは50本の作品のピッチングセッション(制作者によるプレゼンテーション)と6つのパネルディスカッションが開催された。
この中で、服役を終え出所する老年の窃盗犯を彼を逮捕した警察官が母親の元へ送り届ける「泥棒の家路」(日本)や、アフリカの内乱時を取材した日本人ジャーナリストが生死の間をくぐって出会ったある現地未亡人に生まれた子にTOKIOという命名を依頼し16年経ってその子を探す旅に出る「『トキオ』を探して、約束なき旅」(仏)などに高い関心が集まった。
パネルディスカッションでは、アジアマーケットの特性に関する意見交換、台頭するモバイルメディアやネット系映像への対応をテーマにしたセクションに関心が集まった。
また今回、中国の映像製作ビジネスの躍進が目だった。
ピッチセッションでも、人々が日に日に住めなくなる中国内陸部の砂漠化をテーマにした作品や、政府の政策で移住を余儀なくされた南部水郷地帯の住民の困惑を描いた作品など、かつての中国のイメージを払拭する作品が多数見られた。また、中国と国際共同製作を行うためのパネルディスカッションを設けたり、ランチタイムを利用した二回のプレスセッションでも中国発の映像企画や中国国内の映像事情について活発な情報発信が行われた。
【ASDについて】ASD(Asian Side Of the Doc)とは国際ドキュメンタリー・フォーラムのひとつであるSunny Side of the Docのアジア版。市場の開拓のためアジア地域、またアジアとそれ以外の地域の国境を越えたドキュメンタリー映像の共同製作の推進と意見交換の場を設ける目的で2010年に組織された。番組決定権編成権を持つプロデューサ、番組企画の売り込み機会を探す映像制作者など双方の出会いを作りプロ向けのビジネスマッチングを行うイベント。壇上にて売り込みたい映像のピッチとQ&Aを行い、後に個別テーブルにてビジネス交渉を行う。
ピッチングセッション
個別交渉用テーブルで熱心な商談が行われた
個別交渉のための個別テーブル予約表