【Inter BEE 2017】VR映像の用途を拡げる8K/4K 高精細360度カメラ 各社の特徴をレポート! 明日17日最終日のInter BEEがすべてを体験できる最後のチャンス!

2017.11.16 UP

パナソニックの360度ライブカメラ カメラヘッド部分

パナソニックの360度ライブカメラ カメラヘッド部分

米国RTi社との協業による360度ライブカメラ「HAWK2」

米国RTi社との協業による360度ライブカメラ「HAWK2」

ジュエが出展したKandao社の8K立体視360度撮影用360度カメラ「KanDao Obsidian R」

ジュエが出展したKandao社の8K立体視360度撮影用360度カメラ「KanDao Obsidian R」

フォトロンが出展した8K放送対応360度カメラ「Jaunt ONE 24G Camera」

フォトロンが出展した8K放送対応360度カメラ「Jaunt ONE 24G Camera」

 放送・映画から動画配信、ライブ映像と多様な映像コンテンツのプロが集うInter BEE 2017も明日で最終日。毎年、前年と比べて新しい動向を体感できるInter BEEだが、この1年でコンテンツの新ジャンルとして急激に存在感を強めているのがVR映像だろう。
 今まで何度かあったVRのブームと決定的に異なるのは、映像が高精細化してきたことで、360度視野で見られる情景のリアリティが格段とあがってきたことだろう。8K、4Kといった高精細カメラの恩恵を最も受けているのはこのジャンルではないだろうかと思えるほど、高精細カメラによってアプリケーションや利用領域の幅も拡がっている。
 今年のInter BEEでも、360度カメラの展示はどこも黒山の人だかりだった。一言で高精細とはいえ、圧縮方法や配信向け、収録用途と、各メーカーがねらう市場に向け、性能や搭載されている機能が微妙に異なる。
 主な出展企業の360度カメラをまとめてみた。新たな市場を拡げるVRを支える高精細カメラを一度に見ることができる貴重な機会だ。最終日のInter BEEにぜひ、来場して体験してみていただきたい。
(上写真はInsta360の8K対応の360度カメラ「Insta360 Pro」)

<明日17日は、Inter BEE 2017の最終日(10:00〜17:00)になります。入場無料。ウェブで事前登録、現地でも登録可能です>



【パナソニック 360度ライブカメラ「AW-360C10/AW-360B10」】
 =非圧縮4K出力対応業務用360度ライブカメラを出展=
 パナソニック(ホール7、ブース番号:7309)は、9月に発表した360度映像を非圧縮4K/30pで出力可能な360度ライブカメラ(カメラヘッド/ベースユニット)「AW-360C10/AW-360B10」を出展した。
 カメラヘッド(AW-360C10)には、4系統のカメラを搭載し、ベースユニット(AW-360B10)で、それぞれの映像をリアルタイムにステッチングして、2:1正距円筒図法形式の360度の全天球映像を生成する。

 「ベースユニットでリアルタイムにステッチングしているため、出力された映像を後からステッチングしなくても、そのままライブ配信することができる点がポイント」(説明員)。
 ブースでは、会場に360度カメラユニットを設置して会場を撮影し、ベースユニットからステッチングされた4K映像をHDMIでPCに出力。PCからYouTube Liveに配信するデモを行った。

関連URL(下記にリンクあり):https://panasonic.biz/cns/sav/products/aw-360/index.html


【JVCケンウッド 米RTi社との協業による「HAWK2」を参考出展】
 =3K×3Kのスクエア映像をストライプラインでライブ出力=
 JVCケンウッド(ホール6、ブース:6110)は、米国RTi社との協業による360度ライブカメラ「HAWK2」を参考出展、自動車レースやフィールドスポーツなどで、業務用360度映像撮影やライブ配信として提案した。
 360度ライブカメラ「HAWK2」は、米RTi社と共同開発したもので、「レンズとデザインはRTi社、カメラとセンサーはJVCケンウッドで開発した」(説明員)という。

 特徴はJVCケンウッドが開発したカメラレンズとセンサー。レンズは1個と4Kカメラモジュール「GW-MD100」を搭載し、3K×3Kのスクエア映像をストライプラインでライブ出力する点だ。
 「現在主流の360度カメラは、カメラが2つ以上ついているため、各カメラの映像をステッチングする必要がある。しかし、この360度カメラはカメラ(レンズ)が1個なので、ステッチングは不要。そのため、つなぎ目がない高画質な映像を送出することができる」(説明員)という。360度映像は、SDカードへの収録と3G-SDI×4本を光ファイバで出力することができる。

 ブースでは、360度カメラから3K×3Kのスクエア映像を出力、光ファイバーにて伝送し、コンバータでSDIに変換後PCへ取込む。その取り込んだ360度映像をPC内でストライプラインに変更し、HDMIにてモニターに出力している。この360度ライブカメラを利用し、例えばYouTube Liveへ配信することも可能という。ただし、YouTubeへ配信する場合は、リサイズする必要がある。この他、ブースではでは携帯端末へ360度ライブ映像配信が可能なアプリケーションや360度コンテンツ表示に対応したVRヘッドマウントディスプレイも展示している。


【Insta360 8Kの360度ライブストリームが可能なプロ用360度カメラ「Insta360 Pro」】
 =6つの360度VRカメラを搭載しライブストリーミングにも対応=
 今回初出展となったInsta360(ホール6、ブース:6301)は、8K対応の360度カメラ「Insta360 Pro」(タイトル上写真)とスマートフォンに接続して使用する新製品の「Insta360 ONE」、軽量コンパクトサイズの360度VRカメラ「Insta360 Air」を出展した。

 「Insta360 Pro」は、6つの200度魚眼レンズを搭載し、最大8K解像度360度写真・動画の撮影ができるプロフェッショナル向け360度3D VRカメラ。360度のライブストリーミングにも対応している。

 Insta360のマーケティングマネージャを務めるAgatha氏は、特徴について次のように説明する。
 「4K撮影時のリアルタイムステッチングやタイムラプスモード、100fpsの高速撮影が可能」。本360度カメラとは、Wi-FiやBluetoothで接続し、スマホアプリからリモートコントロールする。既にスポーツ中継やバラエティー、映画などに利用されているという。また、ドローンに搭載可能なジグも開発。「ドローンを使った高精細な360度映像の撮影が可能になった」

 8月に発売を開始した新製品の「Insta360 ONE」は、Androidスマートフォンへの接続にも対応し、Bluetooth接続でリモートコントロールした撮影ができる2400万画素の新製品360度3D VRカメラ。静止画は7K(6912x3456)、動画は4K(3840x1920)に対応し、ライトニングコネクタにて、iPhoneに接続できる。
 「編集機能「Free Capture」を利用し、撮影した360度映像から自由に角度を変えなどバレットタイム撮影映像が簡単に作れることが特徴」(同氏)

 「Insta360 Air」は、軽量コンパクトサイズで、Micro USBやUSB Type-Cコネクタに接続し、ディスプレイで映像を確認しながら360度写真や映像を撮影することができる。また、360度ライブ配信に対応しており、パソコンに接続することで、ウェブカメラとしてライブ配信はビデオチャットができるという。


【ジュエ 8K30fps360度動画を撮影・収録可能なKandao社製360度カメラ「KanDao Obsidian R」】
 =8K30fpsの8K立体視360度映像対応 国内初出展=
 ジュエ(ホール6、ブース:6105)は、同社が取り扱うKandao社の8K立体視360度撮影用360度カメラ「KanDao Obsidian R」とShenzhen ImagineVision Technology社の4K360度ライブ配信と6K30fpsの360度撮影可能な360度カメラ「Z CAM S1」を出展した。

 「KanDao Obsidian R」は、8K30fpsの8K立体視360度映像を撮影することができるカメラで、今回国内初出展だ。ブースの説明員によると「一般的に立体視は最大6Kまでだったが、本カメラは8Kまで撮影することができることが特徴」(説明員)

 「Z CAM S1」は、カメラユニットのサイズが約92mm×92mm×142mmと小型な360度VRカメラシステム。6K30fpsの360度動画の撮影と4K60fpsの360度ライブストリーミング配信が可能だ。LANとHDMI出力とSDカードへの収録に対応する。4Kの360度動画をライブ配信する場合は、推奨のグラフィックカードを搭載したパソコンにLANにて接続し、専用のライブストリーミングソフト「Z CAM WonderLive」を利用することで、Facebook Live 360やYouTube360度ライブに配信することが可能だ。「このカメラのレンズ間隔が狭いため、視差が少ないことが特徴(説明員)」と説明した。


【フォトロン 8K放送に利用可能な業務用360度映像制作用カメラシステム「Jaunt ONE 24G Camera」】
 =最大120fps 10ストップダイナミックレンジ 130度レンズを装備したカメラを24基搭載=
 フォトロン(ホール6、ブース:6210)は、Jaunt社のプロフェッショナル向け360度カメラ「Jaunt ONE 24G Camera」を出展した。
 「Jaunt ONE 24G Camera」は、8K放送にも利用可能な高品位の360度VR映像を撮影するために特別に設計されたプロフェッショナル向けカメラシステム。高解像度の24基のカメラと10ストップのダイナミックレンジ、130度レンズを搭載する。また、最大120fpsをサポートしている。「8Kに対応した高品位な360度映像を撮影できるため、暗い場所でもノイズが少ない」(説明員)という。
 この360度カメラはIMAGICAがすでに導入済みで、オリジナル作品を制作する予定だ。

パナソニックの360度ライブカメラ カメラヘッド部分

パナソニックの360度ライブカメラ カメラヘッド部分

米国RTi社との協業による360度ライブカメラ「HAWK2」

米国RTi社との協業による360度ライブカメラ「HAWK2」

ジュエが出展したKandao社の8K立体視360度撮影用360度カメラ「KanDao Obsidian R」

ジュエが出展したKandao社の8K立体視360度撮影用360度カメラ「KanDao Obsidian R」

フォトロンが出展した8K放送対応360度カメラ「Jaunt ONE 24G Camera」

フォトロンが出展した8K放送対応360度カメラ「Jaunt ONE 24G Camera」

#interbee2019

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