【InterBEE 2010 プレ・インタビュー】池上通信機 “汎用性の高いファイルベースソリューションと、高品質3Dシステムを提案”

2010.11.16 UP

iSTEP+(アイ・ステップ・プラス)のワークフロー

iSTEP+(アイ・ステップ・プラス)のワークフロー

<InterBEE2010 プレインタビュー>

出展社:
池上通信機 株式会社

<インタビュー>
池上通信機株式会社
経営統括部 兼 製品戦略部 
統括部長
樫村直樹 氏

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■メインのコンセプトは「シームレス・ファイルベース・ワークフロー」

 InterBEE 2010における池上通信機のメインのコンセプトは、“シームレス・ファイルベース・ワークフロー”。次世代の放送局が目指す新たな方向性をナビゲートする製品群を中心に、当社のファイルベースソリューションである『iSTEP+(アイ・ステップ・プラス)』を中心にブース展示を展開する。

 「昨年のInterBEE2009ではプレゼンテーションだけでご紹介していた、池上通信機のファイルベースソリューションである『iSTEP+』(ikegami Seamless Technology Enhanced Platform)という、当社独自のアセットマネージメント技術を投入したシステム提案を中心に展示展開をしていきます。地上波デジタル化へ向けて、各放送局とも一通りのデジタル化、HD化が一巡したあと、やはり次のムーブメントとして来るのは“ファイルベース化”であろう、ということなのですが、これもある日突然ファイルベース化されるわけではないので、放送局ごとにも違う、段階別のファイルベース化を支援するシステムのご提案です。『iSTEP+』は、収録〜アーカイブまでの情報系のアセットゲートウェイと、ビデオ本線系であるサーバ管理を支援するシステムになります」
 「基本となっているのは支援システムと情報系のコアの部分を管理するシステムで、GUIの使いやすさとメディアを選ばない汎用性というところが一番の特徴となっています」


■実データをオリジナルのまま一元管理

 『iSTEP+』が実現する効率的ワークフローとは、番組素材を管理する『AssetGWS』(アセットゲートウェイサーバ)と、実データを記録する「編集・素材サーバ」を中心に、支援システムや登録・収録、編集、送出、アーカイブ等の各システムをネットワークで接続。メタデータなどのコンテンツ情報と映像、音声、静止画などの実データをオリジナルのまま一元管理する。

 「またカメラシステムのファイルベースソリューションである、GFシリーズの新製品としては、GFパックの低価格バージョンとして『Lシリーズ』を展示いたします。これはすでに発売も開始していますが、これまでGFシリーズに関しては世界各国でもご評価を頂いておりましたが、GFパックの価格が高いというご意見が多かった事から、今回のLシリーズによって、よりご満足頂けるものになるのではないかと考えています」

 「GFシリーズは地方局、プロダクション、CATVさんを中心に、国内外を問わず売れており、特に高画質という点を高く評価して頂いております。性能的にはスタジオカメラのポテンシャルを持っているカメラですので、スタジオカメラ+1のようなイメージで導入して頂いているところもあります。」


■ファイルベース/ノンリニア GFCAMによる3D撮影システムを初展示

 今回の出展の大きな特徴として、池上通信機でも3Dシステムを展示する。そもそも高画質、高機能を同社のインテンションとして謳って来た製品作りが、最新の潮流である3Dステレオスコピック撮影という、シビアな撮影テクニックが要求される分野においても威力を発揮する。

 「さらに今回のInterBEE2010の展示トピックとして3Dの撮影システムを展示します。ファイルベース/ノンリニアの3Dシステムとして今回初公開するGFCAM×2台を使った3D撮影システムと、BOXタイプのHDカメラでのシステム、そして小型カメラMKC-HD300を使ったシステムの、3つの違った3Dシステムです」

 「また当社のスイッチャーHSS-330も3Dに対応していますので、システムで3Dを完結できるというところをお見せしたいと考えています。特にGFCAMの3DはこのInterBEE2010で初公開となります。並列させつつも従来のものよりも割と間隔を狭めて使用出来る、少しコンパクトなシステムを展示いたします。こちらはぜひ会場で見て頂ければと思います」

 「実は当社ではすでに1989年に3Dカメラを作っていたのですが、このころから3Dの画づくりに関してはかなり研究を進めていました。我々が3D撮影システムをやっていくという部分では、当然ですがアミューズメント用というものではなく、本格的な奥行き感を実現するハイエンドな3D映像を撮影できるものを目指しています」

 「3D映像の完成度合いというのはリグ性能とともに、当然カメラ側の調整も非常にシビアな調整が強いられるのですが、2台のカメラの性能が2台とも完璧に合うといったことは、池上通信機としては当然のことであり、色・同期が合って安定性も良いというのが3D撮影用カメラには必須です。そういう意味では当社のカメラは制作系3D撮影に向いているのではないかと考えています。今回は従来よりも少し被写界深度を出せるようにしてあり、またコントロール系も3D用に開発したものがあり、同時に制御もできるのでパーフェクトにマッチできます」


■”InterBEE 現場で使う人との交流、意見交換の場に”

 最後にInterBEEに期待する事についても貴重なご意見を頂いた。

「InterBEE開催へのメーカー側の希望として、プロダクションなどの実際に現場で使う方がもっと会場へ来て頂ける事を望んでいます。メーカーとしても普段あまり前には出てこない技術者がブースにいますので、メーカーの人間と現場の方が話合えるような場所になっていくといいですね。ヨーロッパはまさにそうで、IBCでは各メーカーのブースにラウンジが付いていて、現場の人間と交流できるコーナーなどがあります。InterBEEでもそうした意見交換の場所があるのが理想的ですね」


※お詫び
 同記事は、11/5掲載版の再掲載版になります。関係者の方にご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます

iSTEP+(アイ・ステップ・プラス)のワークフロー

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#interbee2019

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