【Inter BEE 2011】NEC 超小型エンコーダー H.264超低遅延 VC-70を出展
2011.11.18 UP
ファイルベースシステム
超低遅延対応コーデックコーナー
NEC_VC-70
HEVC展示
NECは、報道用ファイルベースシステムや初出展となるH.264超小型超低遅延エンコーダ「VC-70」等の展示と次世代圧縮技術「HEVC」の技術参考展示を行っている。
■ 報道用ファイルベースワークフローをデモ
NECでは、報道用素材をファイルベースで運用することを可能とするファイルベースシステムを展示している。同社が提案する報道用ファイルベースシステムは、素材サーバに次世代グリッドストレージ「iStorage HSシリーズ(HYDRAstor)」、送出サーバにArmadiaビデオサーバを利用したシステムである。
ブースでは、ベースバンドで収録した映像素材をMXFファイルへ変換しながら素材サーバへファイル伝送し、Grass Valley社の編集機「EDIUS」にて編集した後、送出サーバへ送ってオンエアーするまでのワークフローのデモンストレーションを行っている。メディアエネルギー営業本部 本部長代理の大西 正隆氏は、「収録中でも30秒後には編集(追っかけ編集)することができる」と説明した。
■ H.264超小型超遅延エンコーダ「VC-70」を初出展
NECは、従来のH.264超低遅延エンコーダ「VC-7700」の超低遅延/高画質はそのままで、さらに小型化したエンコーダ「VC-70」を初出展している。
入力インタフェースは、DVB-ASI、HD-SDI/SD-SDIのデジタル映像・音声信号に加えてアナログ映像・音声にも対応。対応映像フォーマットは、1080i、720p、480i。遅延に関しては、「超低遅延モードでは10ms〜120ms、通常遅延モードでは300ms〜700msのコーデック遅延を実現している」という。なお、「VC-70」はネットワークインタフェース非搭載となっている。
ブースでは、会場をカメラで撮している映像をVC-70でエンコードし、DVB-ASIにてH.264デコーダ「VD-7700」へ伝送してデコード、「VC-70」でのエンコード前の映像と「VD-7700」でのデコード後の映像を各々モニターに出力させて比較するデモンストレーションを行っている。「今回のデモでは、遅延値を10msecに設定したデモを行っている」と放送映像事業部エグゼクティブディレクタ 渡辺 亨氏は説明した。
本製品の特徴について渡辺氏は、「従来製品であるVC-7700/VD-7700はハーフラックサイズだったが、このVC-70はさらに1/3ラックサイズへと小型化、重量も従来の3kgから1.5kgになっている」と説明した。加えて、ゴルフ中継などの外での利用を想定して、「低消費電力設計によりファンレスを実現し、外付けバッテリを使用し約4時間の駆動を実現している(渡辺氏)」という。
■ 次世代圧縮技術「HEVC」を技術参考展示
NECではISO/IEC MPEGにて策定中の次世代圧縮技術「HEVC(High Efficiency Vid-eo Coding、H.265)」のシミュレーション画像によるH.264コーデック画像(H.264/AVC 720p 1Mbps)とHEVCコーデック画像(HEVC 720p 1Mbps)の画質比較のデモを行っている。NECでは、標準化に研究所が参加しており、「標準化が終わったら、まずはソフトウェア版を作り、その後LIS化することで、標準化後の早い時期にリリースすることを目標にしている(説明員)」と語った。また、用途については、「HEVCは、H.264の半分の圧縮率になるため、例えば4Kや8Kといった超高解像映像伝送に利用されることを期待している(説明員)」と説明した。
この他、従来よりもよりHD解像度へ近づけた超解像度技術の参考展示やノイズリダクション機能や感度を高めたHDTV高感度CCDカラーカメラの新製品「NC-H1000㈼」、超低遅延H.264エンコーダーを内蔵した超小型ODFM FPU送信装置「TVL-D000」等も展示している。
ファイルベースシステム
超低遅延対応コーデックコーナー
NEC_VC-70
HEVC展示