【INTERBEE CONNECTED2018】「テレビ局発のSVODサービスは どこに向かうのか?」打合せレポート〜Hulu、Paravi、FOD全員集合!〜
2018.11.8 UP
左から、塚本氏、野村氏、高澤氏、高谷氏
INTERBEE CONNECTEDでは毎年、多様なテーマでセッションが連日開催されてきた。その中でもとくに多くの来場者で毎回満席になるのが動画配信に関する企画。今年は15日(木)12:30から「テレビ局発のSVODサービスは どこに向かうのか?」と題して3つのサービスから登壇者が集う。日本テレビが買収して早5年目に突入したHuluからは運営会社HJホールディングス取締役編成部部長の高谷和夫氏、TBSと日経グループ、WOWOWの共同出資で今春スタートしたParaviからはプレミアム・プラットフォーム・ジャパン社コンテンツ調達責任者である高澤宏昌氏、そしてフジテレビが運営するFODからは同社コンテンツ事業センター野村和生氏がそれぞれ登壇。モデレーターはワイズ・メディア塚本幹夫氏が務める。恒例の人気企画として、すでに聴講予約が殺到している。その打合せを取材した。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)
例年、この企画では在京キー局の動画配信担当者が集まり、5人の登壇者で行うのが通例だった。今年は趣旨を少し変え「テレビ局発のSVODサービス」と銘打っている。”テレビ局が運営するSVOD”ということで3つのサービスからの登壇者で議論が進められることになった。これまでにも増して、つっこんだ議論が期待できそうだ。
Paraviが登場したことで、テレビ局がVODサービスを運営する意義はよりはっきりしてきた。日本テレビ、TBS、テレビ東京、フジテレビのドラマについては3サービスを利用していれば録画をする必要がなくなった。見逃しても放送後に気軽に視聴できるし、FireTVなどでテレビ受像機で見ることもできる。話題になったドラマを第一話から見て追いつくことも可能だ。TVerも併せて使えば、テレビ視聴のスタイルが自由になったと言えるだろう。
一方で3つすべてに加入すると月3千円を超える。他にNetflixやU-NEXTなどにも入ると5千円を超えてしまう。映像コンテンツは無料が常識だった日本も、アメリカに感覚が近づくのかもしれない。また料金を考えると、すべてのサービスに加入するユーザーは少ないだろう。この点をどう克服するかは、当日の議論のひとつの焦点になりそうだ。
また塚本氏はリニアサービスも気になるという。アメリカではスキニーバンドルと呼ばれるネットを介した多チャンネルサービスが注目を集めている。日本でもVODサービスだけでなく、ストリーミングによる映像配信が浮上してもおかしくない。実際、Huluはスポーツコンテンツを中心にストリーミングチャンネルもサービスに加えている。テレビ局のVODサービスだからこそ、放送に近いスタイルにも取組まないか、議論のポイントのひとつになりそうだ。
塚本氏はセッションの見どころをこう解説する。「米ではNetflixやAmazonに対抗してCBSやDisneyなどが独自に動き出しました。局がリードするSVODは、もしかすると世界をリードするビジネスモデルになるかもしれません。次の一手は何か。各社の戦略を紐解いていきたいです」
今年のINTERBEE CONNECTEDは事前予約が必要。このセッションは人気で、締切が近そうだ。興味ある読者はぜひいまのうちに、予約するといいだろう。下の関連URLから予約できるのでどうぞ。
左から、塚本氏、野村氏、高澤氏、高谷氏