【NEWS】Inter BEE FORUM 映像シンポジウム ハリウッド映画から医療利用まで、スーパーハイビジョン「4K/8K」の特性を生かした映像活用の新たな展開を知ることができる!
2016.10.7 UP
FORUMをはじめ、国際会議場での各種セッションは、機器展示とともにInter BEEの両輪をなすといえる
20年にわたりFORUMのボードメンバーとして、時代に則したテーマで映像シンポジウムをプロデュースしてきた為ヶ谷氏
☆ スーパーハイビジョン「4K/8K」の広色域・超高精細などの空間特性をフルに生かした映像コンテンツとは?
☆「4K/8K」映像は、HDR(High Dynamic Range)、HFR(High Frame Rate)など最新技術による飛躍的なクオリティの進化をもたらし、ハリウッドの映画制作は将来に向けてどの様に変わって行くのか。
☆「4K/8K」映像は、高精細・高輝度映像表示技術の進化により、スクリーンの制約に閉ざされない、立体的な映像空間をどの様に創り出せるのか。
☆「8K」映像は、これからの医療技術の高度化に貢献すると共に、高精細映像の活用における基盤技術の構築にも活かされるのか。
☆「8K」映像は、広色域等の空間特性を生かした超臨場感サービスのために、スポーツ等のライブビューイングに加え、3DCGやVR技術の活用など、新たな映像表現はどのようなものか?
米ハリウッド映画制作でのデジタルシネマによる挑戦的な取り組み、日本においては、空間映像、医療など、放送とは異なるフィールドにおける高精細映像の展開を中心に、現場のエキスパートにより、最新動向を探るプレゼンテイションが、映像シンポジウムで行われます。更に、3者を交えたパネルディスカッションによって、「4K/8K」技術により進化する高精細映像が、未来の社会にもたらす、新しい映像世界についてパネル討論が行われます。
11月16日(水)から18日(金)までの3日間、Inter BEEの併載イベント「Inter BEE FORUM」(以下FORUM)のセッションとして、「映像シンポジウム」(17日 15:00-17:00)と「音響シンポジウム」の2つの催しが今年も開催される。
■「4K/8K」映像の最前線を知ることができる「映像シンポジウム」
「映像シンポジウム」では、「進化する4K・8K映像コンテンツへの挑戦~ハリウッド・日本におけるチャレンジ~」と題し、日米における「4K/8K」映像制作の最新動向についての講演とパネル討論が予定されている。プレゼンターとして、米国撮影監督家協会技術委員会会長のカーティス・クラーク(Curtis Clark)氏と共に活動しているハリウッドのトッププロダクションFotokem社Senior DI Colorist のジョン・ダロ氏(John Daro)氏により、ハリウッド映画制作現場の最新動向について講演が行われる。
また、日本側は、電通CDCプランナーの小池宏史氏による「超高精細の空間特性を生かした映像コンテンツ制作」、メディカル・イメージング・コンソーシアム副理事長の谷岡健吉氏による「8K映像技術とその医学応用」と題した講演をそれぞれ予定している。
■音声修復の最新技術と応用がテーマの「音響シンポジウム」
「音響シンポジウム」では、テーマを「音声修復(レストアリング)の技術と応用」とし、米バークリー音楽大学准教授でスタジオチーフエンジニアのジョナサン・ワイナー氏による「オーディオ・レストレーション・ワークフロー」と題した来日講演のほか、日本からは、日本コロムビア スタジオ技術部チーフマスタリングエンジニアの田林正弘氏による「音楽制作による音源修復ソフトとマスタリング」、マイクロサウンド代表の須藤高宏氏による「リアルタイムで原音復元技術がもたらすもの」と題した講演を予定している。
■30年以上にわたり開催してきたFORUM
FORUMこれまで30年以上にわたり、音楽、映像、放送における最新の話題やテーマを掲げ、コンテンツ制作の最前線で活躍する多くのクリエイターやエンジニア等を招いて、その時代のトピックスとなるコンテンツ制作について考える場を提供。メーカーや開発者が新たな機材をつくり出すためのヒントを提供し、併せてクリエイターに対して、技術の進化がもたらす新たな刺激を感じてもらう場として開催してきた。
■NHKでCGやハイビジョンによるコンテンツ制作のパイオニアとして活躍
そのFORUMで長年、映像シンポジウムのコーディネーターとして、講演テーマや講演者の選定などに携わってきた為ヶ谷秀一氏は、NHKで長年にわたり番組制作における3DCG利用の道を切り開いてきた、日本のCG映像制作のパイオニアの一人だ。
3DCGによるデジタルキャラクターを番組の進行役として番組に登場させたり、ハイビジョンCGによる劇場映画制作への展開など、意欲的、かつ先進的な映像表現を次々と実現してきた。特に、ハイビジョン映像の高精細度が発揮できるCG技術の活用にいち早く着手し、映画制作におけるハイビジョンVFXへの展開などを通して、ハリウッドやヨーロッパの映画制作者、映像クリエイター そしてアーティストなどとの国際的な交流を広めて、ハイビジョンの普及に取り組んできた。初めてハイビジョンカメラをスペースシャトルに搭載し、宇宙でのハイビジョン映像の利用を拡げるなど、さまざまなハイビジョン・コンテンツの制作にも協力してきた。
今年のFORUMは、為ヶ谷氏がコーディネーターとしてInterBEEの映像シンポジウムに関わってから20年目となる。為ヶ谷氏に、今回の映像シンポジウムの見どころとともに、映像シンポジウムのねらいや今後の展望について聞いた。(以下は、為ヶ谷氏のコメント)
■本格化する「4K/8K」映像制作
今回の映像シンポジウムの主題は、進化する「4K/8K」映像の現状と、それが目指す将来への展望です。映像の最前線である、米ハリウッド映画制作におけるHDR・HFR技術の動向とともに、日本における空間映像、医療など、放送とは異なるフィールドにおける高精細映像の展開を紹介します。さらに、3者を交えたパネルディスカッションによって、「4K/8K」技術により進化する高精細映像が、未来の社会にもたらす新しい映像世界などについてパネル討論を予定しています。
スチルカメラは、ずいぶん前から広いダイナミックレンジの被写体の撮影に対応して来ておりましたが、高輝度・高コントラストのディスプレイやモニターが登場してきたことで、映像制作においてもより広いダイナミックレンジを有する「4K/8K」映像コンテンツの制作が本格化しています。優れたコンテンツを効果的につくり出すためには、クリエイターやプロデューサーの熱意や創意工夫とともに、優れたシステムやツールの存在も不可欠です。「4K/8K」映像の持つ特性を活かしたディスプレイの登場によって、映像表現の可能性が拡大するということも、機材の進化とコンテンツ表現が密接に関わっている証左ともいえます。「4K/8K」そしてHDR、HFRなどの新しい技術は、映画やテレビばかりでなく、多様な分野での映像利用の幅も拡大しようとしています。
■「4K/8K」による高精細ディスプレイの登場が利用の幅を拡大
これまでの映像表示装置では、周囲の明るさなどの制約があり、設置場所や表示方法が限られていましたが、近年、高輝度、高精細の表示装置等の登場によって、屋外の明るい場所でもリアル感のある高精細な映像を見ることができるようになりました。これによって、ディスプレイは映像表示ができる立体的な装置として、空間を演出するための新たなツールと位置づけられつつあります。また、医療における映像利用の現場でも、進化した高精細映像によってこれまでとは違う世界が生み出されています。ハリウッドもまた、新たな映像表現への試みを積極的に進めています。今年4月のNABでは、アカデミー賞受賞歴もあるアン・リー監督によって制作された、4K/HDR/ 120fpsそして3D立体映像によるメジャー映画作品のデモが試写されました。ハリウッドのクリエイター達が、今実現されている最もハイスペックの技術を活用して、映画の世界に新しい映像表現をもたらす挑戦をしています。
■クリエイター同士、あるいは、クリエイターと技術開発者の"化学反応"
機材の発展が新しい表現の可能性を生み出すこともあり、また、クリエイターの表現への一途な欲求が、ツールの開発を促すことも少なくありません。 FORUMの映像シンポジウムでは、そういう"化学反応"を導き出す場という意味合いを込めて、実践的な現場で活躍しているエキスパートによるプレゼンテイションとパネル討論を行って来ました。今回も、異なるジャンルの3人が登壇し、それぞれの新たな試みや課題を知ることによって、映像制作者にも、技術開発者にも何か新しい刺激を感じてもらえればと思います。また、異なるジャンル同士でありながら、4K/8Kを用いた挑戦を続ける3人によるパネルディスカッションでは、それぞれの立場をどう捉えるか、それぞれのHDR映像の使い方について互いがどう感じるか、あるいはそこから新しい発想が生まれるのかを、いっしょに見ていきたいと思っています。
■「Inter BEEのもう一つの顔」
メインの催しである最新機器やシステムの展示とともに、FORUMにおけるシンポジウムは、Inter BEEのもう一つの顔といっても過言ではないでしょう。現在進行形の最新情報もたくさん出てくると思います。すべてのものづくりに携わる人に、第一線で活躍しているスピーカーの講演をお聞きいただき、そして一緒に議論に参加して頂きたいと思います。
FORUMをはじめ、国際会議場での各種セッションは、機器展示とともにInter BEEの両輪をなすといえる
20年にわたりFORUMのボードメンバーとして、時代に則したテーマで映像シンポジウムをプロデュースしてきた為ヶ谷氏