【Inter BEE 2011】初日レポート 世界が注目する日本の映像・音響技術のイベント Inter BEE 2011が開催
2011.11.17 UP
会場内のラウドネスセミナー
基調講演に登壇したNABスミス会長
音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE 2011」が16日、千葉県・幕張の幕張メッセで開幕した。
幕張メッセのエントランスホールで開かれた初日の開会式は、主催の電子情報技術産業協会の長谷川英一常務理事のほか、来賓として全米最大の放送業界の団体、NAB会長のゴードン・スミス氏、日本放送協会の永井研二専務理事、日本民間放送連盟の工藤俊一郎常務理事が来賓として列席して開催された。
実行委員長の大西正隆氏のInterBee2011の開会を宣言により、来賓を含めた5人がテープカットを行い、いよいよInterBEEが開幕。今年の出展者数は800社と過去最高を記録し、海外34カ国・地域から466社が参加する、文字通り国際色の強い退会になっている。
会場では開催直後、総務相によるホワイトスペース推進協議会ブースでのオープニングセレモニーが行われ、また、ラウドネスメーターゾーンにおけるワークショップが開催されるなど、デジタル放送による新しいサービスが制作体制に関係する催しが開かれた。
展示会場は、映像・放送県連機材部門、プロオーディオ部門に加え、プロライティング部門、クロスメディア部門があり、幅広いデジタルコンテンツのプロフェッショナルを対象にしている様子がうかがえる。
今年初めて開催された基調講演では、NABのゴードン・スミス会長、日本放送協会の長い研二専務理事が登壇。スミス会長は、今年3月11日に起きた東日本大震災における被災者へのお見舞いの言葉とともに、震災後の災害報道や緊急地震報道などを行った日本の放送局の勇敢さを讃えた。
また、将来に向けて、日本の放送技術の優秀さを高く評価し、今後とも日米における放送業界の技術面での連携を深めていきたいと話した。
永井氏は、東日本大震災において、放送の価値が再認識された状況を統計データを用いて説明。放送の役割の重要性、また技術開発により、通信との連携などを含め、さらに利便性の高い放送サービスの開発を目指すと意欲を示した。
午後には、招待講演によりブラジルからサンパウロ大学のマルセロ・ズッフォ教授、ブラジル科学技術省IT担当のアンテノール・コレア氏らにより、「地上デジタル放送における日本とブラジルのコラボレーション」と題した講演があり、日本の地上デジタル放送が採用された経緯や、次世代の放送技術開発に向けた日本とブラジルの協力関係について紹介された。
今年7月24日のアナログ停波により、デジタル放送の本格的な幕開けの最初の開催となったInter BEE 2011は、このように日本の放送技術がもたらす国際的な連携を象徴する催しで幕を開けた。展示会場にも、海外からの出展が多数あり、まさに国際交流の場としての様相を増しつつある。
会場内のラウドネスセミナー
基調講演に登壇したNABスミス会長