【InterBEE 2010】KDDI研究所 将来の映像アプリケーション技術と、8kリアルタイム圧縮伝送、スタジアム3D自由視点など高品質映像関連ソリューションを紹介
2010.11.18 UP
8K UHDTV リアルタイム伝送システム
KDDI研究所(ブース:7209)は、幕張メッセで開催中のInterBEE2010において、8K(7680画素×4320ライン)フル解像度のUHDTV(超高精細映像、スーパーハイビジョン)のリアルタイム伝送システムを展示している。
この技術は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究として研究開発を進めているもので、「今年のNAB SHOWでは8Kフル解像度、60フレーム/秒のUHDTV映像の圧縮率が90Mbpsだったが、今回70Mbpsまで高圧縮化することができたため、NICTの成果発表として展示公開した」とKDDI研究所 超臨場感通信グループ研究員の河村圭氏は説明した。
8Kフル解像度映像のコーデックには、H.264/MPEG-4 AVCをベースに独自拡張方式を導入したもので、「現在ITU-T SG9に標準方式として提案している(同氏)」という。KDDI研究所が開発した拡張方式は、「解像度に合わせて符号化処理の単位ブロックサイズを拡張(マクロブロックのサイズを適応的に変える)し、圧縮による劣化を復元するための適応フィルタを新規に導入している(同氏)」と説明した。
現在、本システムの8Kフル解像度映像のリアルタイムエンコードとリアルタイムデコードは、6コアのCPUを持つワークステーション4台を使ったソフトウェアで実現している。また、現在FPGA化を進めている」という。
会場では、NHKから提供された8Kフル解像度の映像を使ったデモを行っている。実際にワークステーション4台で構築した並列分散処理プラットフォームを使い、ソフトウェアデコーダにてリアルタイムに映像をデコードして、8本のHD-SDI信号を8Kプロジェクタへ伝送し、映像を表示している。
今後の実用化に向けた対応について河村氏は、「衛星放送の2トラポンで伝送することが可能となる50Mbps以下の高圧縮化したい(同氏)」と抱負を語った。
8K UHDTV リアルタイム伝送システム