【NEWS】NAB Show 2015開幕 会期二日目で10万人を越える盛況に 各社から4K放送関連機器発表
2015.4.16 UP
60万円以下と低価格化を実現したパナソニックの4Kカメラ「AGDVX200」
朋栄のFT-ONE-S。小型化しつつ4Kで最大360コマ/秒の撮影が可能
Thomsonは、オール・イン・ワン型プレイアウト機「FUZE-1」を出展
エレメンタルが出展した4K60p対応MPEG-DASH Liveストリーミング
世界最大のデジタルコンテンツ・プロフェッショナル向けのイベントNAB Showが4月13日、米ラスベガスのラスベガスコンベンションセンターで開幕した。展示会には1789社が参加し、来場者数は10万人を越えるなど、昨年を上回る盛況となった(展示会2日目、現地時間4月14日夕刻時点の参加者数10万3,402人。2015年の最終参加者数は後日発表される予定。昨年は9万7,915人)。
展示会場では、放送、動画配信、映像制作に関する多彩な機材が出品された。
4K/8K(Ultra HD)関連では、4Kによるテレビ番組制作を想定した機材が多数出展されたほか、8K関連の製品も目立った。より小型・軽量な4K対応カメラがソニー、パナソニック、ブラックマジックデザインなどから発表されたほか、映像素材伝送や配信技術にも4Kを想定した製品が各社から登場。また、コンテンツ制作、コンテンツ配信のためのクラウド・サービスも多様化が進み、オープン化による複数企業の連携が進んでいる。
(上写真は例年以上に混雑するラスベガスコンベンションセンター サウスホール)
■ソニー B4マウントレンズを装着できる4K対応カメラや4Kライブスイッチャー展示
ソニーは、放送局で広く使われているHD用B4マウントレンズを直接本体に装着でき、使い慣れたHDカメラの操作性を維持したまま4K撮影を行える、スポーツ中継に最適な4K/HD対応システムカメラ「HDC-4300」と独自のIPネットワーク映像伝送技術を用いて開発した「ネットワーク・メディア・インターフェース」を搭載した4Kライブスイッチャーを技術展示した。
■パナソニック 4Kハンドヘルドカムコーダーを発表
パナソニックは、小型・低価格の4Kハンドヘルドカムコーダー「AGDVX200」を発表。DVX200は自主映画やイベント撮影といったミドルレンジをターゲットにしたモデルで、価格は60万円以下を検討している。また、10月の発売を予定している。ブースではコンセプトモデルを展示していた。
■ブラックマジックデザイン 「Blackmagic URSA」の小型・軽量タイプを出展
ブラックマジックデザインは、従来品の「Blackmagic URSA」を小型化・軽量化した「Blackmagic URSA Mini」、多様な撮影スタイルを満たすために製品化された超小型の「Blackmagic Micro Cinema Camera」を出展した。
「Blackmagic URSA Mini」は、重量を従来の約7.5キログラムから約2.5キログラムへと大幅に軽減し、本体サイズも小型化した。また、自社で独自に開発した4.6K(4608×2592)センサーを採用。120フレーム/秒に対応し、15ストップの広いダイナミックレンジを持っている。既存のURSAユーザー向けに有償のアップグレードが用意される予定だ。
さらに超小型の「Blackmagic Micro Cinema Camera」は、マルチコプターでの空撮やアクションカムのとしての用途向けに開発したカメラ。独自の拡張ポードを使うことで、模型飛行機の遠隔制御機からカメラを操作して撮影できるという。
■朋栄 FT-ONEの軽量化を実現
朋栄は、4Kでスーパースロー撮影も可能な4Kバリアブルフレームレートカメラ「FT-ONE」の特長を継承しつつ、5.5kgまで軽量化し使いやすさを追求した新モデル「FT-ONE-S」とFT-ONEの光ファイバー搭載モデル「FT-ONE-OPT」を出展した。
「FT-ONE-S」は、カメラヘッドをコンパクトにしたことで軽量化を実現しながら、光伝送やインカム接続などの機能を内蔵している。防塵・防水対応で、最大360コマ/秒の高速度撮影が可能だ。
■池上通信機 8Kカメラを1/10に軽量化
池上通信機は、1/10に軽量化しロケでの運用性を高めたNHKとの共同開発の8Kスーパーハイビジョンカメラ「SHK-810」と新開発4K×3CMOSシステムカメラを技術展示した。8Kスーパーハイビジョンカメラ「SHK-810」は、撮像素子に3300万画素CMOSセンサーを搭載している。
レンズマウントはPLマウントを採用。カメラとCCU(カメラコントロールユニット)間は、現行のハイビジョンカメラと同様の光複合ケーブルで接続できるという。また、CCUからは4K/8K出力が可能。技術展示となった2/3型4K 3CMOS 4Kシステムカメラは、4K解像度の撮像素子を使用したカメラで、来年のNABでの販売を目標に開発中という。この他、4Kソリューションの提案のひとつとして、ヒビノ株式会社の293型フル4K LED大型ディスプレイ「ChromaVision HCV16」を展示した。
■Thomson 4K60p対応のリアルタイムエンコーダを披露
仏Thomson Video Networksは、4K60pをエンコードできるハードウェアのリアルタイムエンコーダ「ViBE 4K」と3月末に発表したオール・イン・ワン型プレイアウト機「FUZE-1」を初披露した。オール・イン・ワン型プレイアウト機「FUZE-1」の特徴は、送出機能に加えて、エンコーダ、トランスコーダ、グラフィックス・オーバーレイなどを行える「Channel in a box」だ。また、4K リアルタイムエンコーダ「ViBE 4K」は、3G-SDI×4本の入力とTS over IPの出力を搭載している。デモでは、4K60pの18Mbpsでエンコードした映像をオール・イン・ワン型プレイアウト機「FUZE-1」でデコードして4Kモニターに表示するデモを行った。
■エレメンタル 4K60p対応MPEG-DASH Liveストリーミングをデモ
エレメンタル・テクノロジーズは、Elemental Liveによる4K60p HEVC MPEG-DASH LiveストリーミングとElemental Deltaを利用したADインサーション、統計的多重化によるマルチスクリーン向けライブストリーミングソリューション「Elemental Statmux」を紹介した。
4K60p HEVC MPEG-DASH Liveストリーミングは、今までは2台のElemental Liveを使用していたが、1UサイズのL600シリーズ1台で対応が可能になった。4K60p映像は、3G-SDI×3本で入力する。今後は、4K60pのファイル入力とIP入力をサポートする予定という。また、ADインサーションは、Elemental Deltaにてサポートする。ユーザーエージェントを参照し、それぞれのデバイスに対して異なる広告映像を出すことができるターゲティング広告に対応した。
さらに、3月に発表した統計的多重化によるマルチスクリーン向けライブストリーミングソリューション「Elemental Statmux」のデモもブースにて実施した。この「Elemental Statmux」のデモでは、HEVCによる4K60p 1本とH.264によるHD 4本を統計的多重化方式で1つに多重化して配信するマルチスクリーン向けライブストリーミングのデモを行った。
■ランサーリンク 4K60p再生プレイヤーを出展
ランサーリンクは、4K60pに対応した「4K UHD XJive Player」とHDMI 2.0対応スイッチャ「HD-41V24K」、4K60p対応のHDMI 2.0 Opticalケーブルを出展した。「4K UHD XJive Player」は、HDMIケーブルで4Kモニターへ接続し、4K60Pファイルを再生することができる再生機だ。入力はUSB 3.0とSDカード、出力はHDMI 2.0を搭載。
サポートする4K映像ファイルは、AVC 4K60P 200Mbps、HEVC Main Profile4K60p 50Mbps、XAVC 4K60p 600Mbps。「HD-41V24K」は、DMI 2.0に対応した4入力/1出力のHDMIスイッチャ。
4K60p対応のHDMI 2.0 Opticalケーブルは、最大100Mまで伝送が可能だ。ブースでは、4K UHD XJive Player2台を1つは10M、もう1つは100mのHDMI 2.0 OpticalケーブルでHDMIスイッチャ「HD-41V24K」に接続し、「HD-41V24K」と4Kモニターへ4K60p映像を表示するデモを行った。
60万円以下と低価格化を実現したパナソニックの4Kカメラ「AGDVX200」
朋栄のFT-ONE-S。小型化しつつ4Kで最大360コマ/秒の撮影が可能
Thomsonは、オール・イン・ワン型プレイアウト機「FUZE-1」を出展
エレメンタルが出展した4K60p対応MPEG-DASH Liveストリーミング