【NEWS】IBC2017報告(1)OVER 4K×HDRのスタンダード化へ
2017.9.16 UP
盛大に開催されたARRIの100周年記念パーティ
ソニーのCineAltaカメラ最上位機種「VENICE」
新開発1.25型8Kイメージセンサーを搭載した8K 3板式カメラシステム『UHC-8300』(写真右はソニーの桐山氏)
キヤノンはXF305の後継機種となる4K収録対応の業務用ビデオカメラXF405を発表
オランダの首都・アムステルダム/RAI展示場で毎年開催されている、欧州最大規模の映像・放送機器の展示会、IBCが今年も9月15日から19日の5日間の日程で開催された。今年のアムステルダムは、いつもの9月とは異なる不安定で寒冷な天候で、連日、体感温度は10度前後、さらに突然の豪雨と非常に厳しい天候と悪天候の中での開催になった。展示会開催初日の15日は、不安定ながらも晴れ間も多く見え、オランダらしい気候で順調な人出になった。
今年のIBC2017は50周年の記念すべき年であり、各所に50周年記念のバナーなどが立ち並び、50周年の歴史が著されたリーフレットが配布されるなど、普段よりも一層お祭り気分が向上しており、会場内にも普段以上にケータリングの出展が増え、開催を盛り上げる演出が随所に見られた。今回も欧州を中心に全世界から約55,000人の登録来場者、1,700社以上の出展社が集まった。
注目の展示内容の傾向としては、出展企業や規模はほぼ変わらないが、春のNAB Show 2017の流れを踏襲するかのような、IP、HDRを含む現行の放送技術のトレンドを追う展示がメインで、また「Content Everywhere Hub」などのネット系配信に関するソリューション展示コーナーなど、OTTの台頭による先の展開予測があり、興味深い展示も多く目立った。
■ARRI100周年と話題の新製品
ドイツのカメラメーカーARRIは今年創設100周年を迎え、9月12日がその日にあたり、14日のIBC開催前にはアムステルダム郊外で1000人規模の招待客を招いた記念パーティーが模様された。映画制作関係者はもちろんのこと、世界からのディストリビューターを含め多くの関係来場者が集まり100周年を祝った。
日本の大手メーカーからも主な話題の製品としては、ソニーからはIBC開催前週に発表した新型のシネマカメラ、VENICE(ベニス)を一般初公開した。新開発の36×24mmのフルフレームセンサーを搭載。同社初のアナモフィックレンズ対応、最大幅を生かした横36mm=6K解像度での撮影や、 多くの映画制作に用いられる撮影フォーマットである Super35mm (24.89×13.18mm)、Super35mm 4パーフォレーション(24.89x18.63mm)を用いた 4K 解像度での撮影など、1 台で多様な映像制作用途に使用できる。また業界初の8段階ガラスNDフィルター内蔵など、新テクノロジーをつぎ込んでいる。ジョセフ・コシンスキー監督とアカデミー撮影賞を受賞している撮影監督、グラウディオ・ミランダ氏の「オブリビオン」によるデモフィルム「THE DIG」がビッグスクリーンで公開された。その他、初の8K放送用カメラである「UHC-8300」を発表。
キヤノンはXF305の後継機種となる4K収録対応の業務用ビデオカメラXF405と、幾つかの小型ビデオカメラを発表した。
(HOTSHOT編集長/映像ジャーナリスト/Inter BEE 2017 ニュースセンター 石川幸宏)
盛大に開催されたARRIの100周年記念パーティ
ソニーのCineAltaカメラ最上位機種「VENICE」
新開発1.25型8Kイメージセンサーを搭載した8K 3板式カメラシステム『UHC-8300』(写真右はソニーの桐山氏)
キヤノンはXF305の後継機種となる4K収録対応の業務用ビデオカメラXF405を発表