Inter BEE 2022 幕張メッセ:11月16日(水)~18日(金) オンライン:12月23日(金)まで

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Special 2023.10.20 UP

【INTER BEE BORDERLESS】企画セッション「ドラマの未来を変える、広告とデータアナリティクス」事前レポート

境 治 Inter BEE 編集部

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写真左から、河村嘉樹氏、五十嵐千賀氏、長谷川朋子氏、竹内伸幸氏

今年のINTER BEE BORDERLESSの多彩なセッションの中でも注目を集めそうなのが、15日(水)15時からの「ドラマの未来を変える、広告とデータアナリティクス」だ。関西テレビ・コンテンツ統括本部コンテンツビジネス局・局長である竹内伸幸氏を中心に、同局のドラマ『魔法のリノベ』(2022年7月期放送)を題材にトータルリーチ戦略を採り上げるセッション。この作品に提供社として、また制作協力として関わった株式会社LIXILのブランド&マーケティングストラテジー統括部マーケティングコミュニケーション部リーダー、五十嵐千賀氏、そしてテレビ番組の「注視データ」を計測し新しい軸の番組評価を提供するREVISIO株式会社の取締役ビジネス本部本部長、河村嘉樹氏が登壇。進行役はこのセッションを企画したテレビ業界ジャーナリスト、長谷川朋子氏が務める。まずは竹内氏と長谷川氏の打合せの様子を取材した。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)

ドラマ視聴を放送時の視聴率以外でも計測する試み

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このセッションの芽は、当MAGAZINEとも協力関係の放送業界メディア「Screens」でのインタビューにあった。竹内氏に長谷川氏が取材し、前後編の記事になって多くの人に読まれた。関西テレビは放送後に様々なSVOD事業者に番組を配信することでドラマの収益性が高まっている。インタビューでは、これを「トータルリーチ戦略」として、人々との接点を増やすことの価値を竹内氏が語っていた。まずはその記事を読んでもらうといいだろう。
※Screensのインタビュー記事→https://www.screens-lab.jp/article/28864
非常に話題になったこの記事を元に、生の言葉で竹内氏に語ってもらうのが本セッションの企画意図だ。打ち合わせも改めて、竹内氏と長谷川氏の二人のディスカッションから始まった。
竹内氏はトータルリーチ戦略の基本的な考え方をこう述べる。
「ドラマの価値を放送時の視聴率だけでは測れなくなってきました。TVerのような見逃し配信サービスでも、若い人は当たり前のようにドラマ視聴を楽しんでくれています。さらにNetflixなどのOTTサービスにも積極的に番組を配信してもらうことで、ドラマの価値が幾重にも膨らんでいると言えます。私たちはその価値をなんらかの形で把握し数値化する試みに取り組んでいます。」

トータルリーチ戦略がドラマの収益性を最大化する

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ネット配信が利用者を増やした今、トータルリーチ戦略はドラマの価値を高めるために必須の考え方になっている。放送後も様々なサービスでそのドラマに接触する機会が増えれば、視聴する層を格段に広げることができる。
長谷川氏の企画者としての狙いは、関西テレビのドラマの複合的な展開を竹内氏に解説してもらうことで、トータルリーチ戦略の意義を来場者に感じ取ってもらうことだという。
「セッションでは『魔法のリノベ』という昨年の事例を通じて、具体的なお話を竹内さんにお話いただきます。また番組に提供社として関わると同時に商品協力としても携わったLIXILさんから見たドラマ提供の価値を五十嵐さんに語っていただきたいと考えています。その上で、河村さんにはトータルリーチ戦略の裏付けになるようなデータを示してもらえたらと考えています。」
ドラマ「魔法のリノベ」を題材に、トータルリーチ戦略の有効性を理解できるセッションになりそうだ。

企業にとって番組提供の価値はCM枠だけではない?

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竹内氏が作成した関西テレビのドラマ収益モデル

『魔法のリノベ』はタイトルの通り、住宅のリノベーションがテーマになっている。トイレ、お風呂、キッチンから窓、ドア、エクステリアまで、住まいの空間を彩る様々な商品を提供するLIXILにとって、このドラマは商品を提供する格好の題材だった。制作からの依頼に応じてドラマ内セットに商品を提供しつつ提供スポンサーでもあるという、珍しいケースとなった。
五十嵐氏は2方向からドラマに関わった経験をこう語る。
「まずはドラマがリフォームを題材としていることでリフォームへの興味・関心が高い人が多いと予想されたこと、私たちのブランドメッセージ「いつもを、幸せに。」を体現する内容だったことから番組提供を決定しました。商品は、暮らしに欠かせないものですが、日常で意識することがあまりなのが正直なところです。ただ、今回は営業活動に活かせる準備を入念にしたため社内外で期待以上の反応をいただくことができたのではないかと感じています。」
こうしたトータルリーチ戦略の裏付けとなるデータを提供するのがREVISIO社の役割だ。最近はスマホ片手の「ながら見」傾向がある中、どれだけ本気で番組を注視しているかを数値化して示す。
河村氏はセッションでの役割についてこう語る。
「トータルリーチ戦略が効力を発揮しているかを測る上で、注視される番組とはどういったものか、データに基づいて考える必要があるのではないかと考えております。」
ドラマが放送されるだけでなく配信でも当たり前のように見られるようになった今、スポンサーとドラマの関係も、CM枠の取引だけではなくなっていくかもしれない。そのキーワードが「トータルリーチ戦略」だ。本セッションでぜひ知見を深めていただきたい。

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