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Special 2024.06.20 UP

【Hollywood Report】Framestore バンクーバー・スタジオを閉鎖へ SAG-AFTRA(米映画俳優組合)ストライキが影響

鍋 潤太郎 / Inter BEEニュースセンター

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6月18日、大手VFXスタジオFramestore(本社:ロンドン)がバンクーバー・スタジオにて勤務するクルーに対してアナウンスしたところによれば、Framestoreは来る7月5日をもって、バンクーバー・スタジオの閉鎖を決定したという。

Framestoreは他にも拠点を持ち、ロンドン、モントリオール、シカゴ※、ロサンゼルス※、ニューヨーク※、ムンバイ、メルボルンなどのスタジオは継続されるという。
※印は広告やコマーシャル専門の拠点

Framestoreがバンクーバーのクルー向けに送信したメールの中で、今回の閉鎖の直接的な原因は、昨年のSAG-AFTRA(米映画俳優組合)のストライキの影響による業界全体の映画作品本数の減少にあるとしており、「我々が直面している市場状況を反映し、今回下さなければならなかった非常に難しい決断」と記されている。
今回閉鎖となるバンクーバー・スタジオは、もともと2020 年に Framestore が Method Studios を買収した際、その一環として取得したもので、同社のワールドワイドなビジネスの中で重要な部分を占めていたという。バンクーバー・スタジオは Framestore のグローバル パイプラインに統合され、貴重な人材とリソースをもたらさす事に成功した。しかし、ストライキの影響による厳しい市場状況により、今回の難しい決断に至ったのだという。

下記は、Framestoreがバンクーバー・スタジオのクルー向けに送ったメールの意訳である。


クルーの皆様
大変残念なお知らせですが、バンクーバー オフィスは7月5日をもって閉鎖することをお知らせ致しします。これは、バンクーバーから新たなVFXプロジェクトが創られることがもう無いということを意味しますが、現在制作中のプロジェクトについては、バンクーバーでは小規模チームを維持し、他の拠点と協力しつつ完了させる予定です。

これは、2023 年後半の SAG-AFTRA ストライキの影響による、業界全体の作品数減少の結果、当社が下さなければならなかった非常に難しい決断でした。このような決断を下さなければならないことは非常に残念に思いますが、私たちがバンクーバーのチームを大切に考えていることは、ご理解頂けていると思います。私たちは、才能あるチームが長年に渡り一貫して生み出してきた卓越した作品を、非常に誇りに思っています。この決定は、チームの卓越した創造性と仕事への取り組み姿勢とは無関係に、業界全体が現在直面している市場状況の影響による決断でした。

今後は可能な限り、他の拠点での空きスポットを提供できるよう検討していきます。更に、リクルート・チームは今回影響を受ける皆様と緊密に連携し、業界の関係者とも連絡を取りながら、皆様が早く新しいポジションを見つけられるよう、努めていきたいと考えています。



このニュースはSNSを通じて業界中に拡散され、「ハリウッドビジネスに対する税優遇が盛んな地域」として広く知られるカナダのブリティッシュコロンビア州/バンクーバーでの出来事であるという事も加わり、ハリウッドのVFX関係者は驚きとショックに包まれている。

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