Inter BEE 2024 幕張メッセ:11月13日(水)~15日(金)

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Special 2023.11.01 UP

【INTER BEE BORDERLESS】企画セッション「テクノロジー視点で放送業界の“ブループリント”を構想する」事前レポート

境 治  Inter BEE 編集部

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クロサカタツヤ氏(左)と村上圭子氏、打ち合わせの場面だが本番さながらの議論になった

INTER BEE BORDERLESSの最後を締めくくる、17日(金)15時からのセッションは「テクノロジー視点で放送業界の“ブループリント”を構想する」。タイトルからどんな内容かはちょっと想像しにくいだろう。中身としても進め方も実験的なこのセッションについて、企画者でありモデレーターも務めるNHK放送文化研究所の村上圭子氏に聞いた。放送業界の”ブループリント”つまり将来の青写真を、識者の議論から描き出すのがこのセッションの目標。議論をしっかりした内容にするためには、テクノロジー視点の裏打ちが必要ではないか、というのが村上氏の企画意図だ。そのために、テクノロジーに詳しい3人の方々に登壇してもらう。登壇者の一人との打ち合わせから、セッションの姿を見出してみたい。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境治)




3人の識者から、放送の将来像について聞く前半

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一人めのパネリスト、株式会社企のクロサカタツヤ氏についてはあまり説明は不要だろう。総務省に限らず霞ヶ関の様々な有識者会議に参加するコンサルタントだ。直近では「小規模中継局等のブロードバンド等による代替に関する作業チーム」のキーマンとして実証実験に関与している。「なんとなく興味を持って参加したのですが、進むうちに今後の放送業界にとって重要な課題が詰まっていると気づきました」とクロサカ氏は言う。ミニサテ局という末端のインフラとはいえ、放送から通信への移行のあらゆる要素が入っている領域だった。そんなクロサカ氏だからこそ見えてきた、放送の未来像を語ってもらうべく、このセッションに招かれた。
そこにさらに、当日は2人の論客が加わる。TBSを退職後、自ら株式会社イコーゼを立ち上げた大吉なぎさ氏は、放送局在籍中から放送業界の未来像をテクノロジー視点で熱く語っていたという。報告の中身は当日を楽しみにしたいが、かなりアグレッシブなものらしい。現在、地上デジタル放送で活用している帯域を、6Gテクノロジーで再構築することによって、テレビ放送の充実にとどまらず、革新的なサービスを実現できるようになり、放送事業者のビジネスも活性化できるのではないか、という提案だ。NHK財団で次世代の放送システムを研究する武智秀氏は、総務省の次世代放送通信連携サービスの技術試験事務の責任者として、技術試験から見えてきた今後の放送サービスを考えるための材料や、欧州の次世代放送規格であるDVB-Iの状況も聞かせてくれるそうだ。当日はベルリンに出張中だが、朝食後、会議までの間にリモートで参加してくれるそうなので、その点も実験的なセッションになりそうだ。

後半では会場も巻き込んでみんなが参加する議論に

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2019年のCONNECTEDの会場。ここを埋め尽くした来場者も加わる議論にしたい

3人の識者の議論は放送業界の未来について突っ込んだ内容になりそうだ。来場者の中には、賛否両論様々な意見を持つ人も出てくるだろう。村上氏は「後半は会場を巻き込んだ議論にしたい」という。意見を言いたい来場者には、マイクを持ってもらい異論反論を壇上の識者たちにぶつけてもらっていいそうだ。
実はすでに、そういうセッションをするなら自分も、と名乗りを挙げている人たちがいるらしい。村上氏としては、そんな人たちの主張も、議論に取り入れていくつもりだという。
もちろん、その場で思うところがあれば誰にでも意見を言ってもらってかまわない。筆者も会場係としてお手伝いし、しゃべりたい方がいればマイクを向ける役割を担うつもりだ。手を挙げなくても、言いたいことがありそうな人と目が合えば、半ば強引にマイクを向けようと思う。
また、すでにこれを読んで自分も言いたいという方がいれば、村上氏や筆者に事前に連絡をくれれば用意しておく。そんな風に、業界内の目を気にしないで忌憚のない意見を述べるセッションとし、進行が多少乱れても様々な意見が飛び交う場にできれば、というのが村上氏の希望だ。
放送業界はそろそろ、過去の常識にとらわれずに議論すべきタイミングになっているのではないだろうか。このセッションを、業界の空気を変える一つのきっかけにしていければと思う。ぜひみなさん、ご参加を!

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