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Event Report 2025.01.15 UP

【Hollywood Report】大規模山火事の影響でVESアワードLAノミネート審査会がバーチャル形式に変更に

鍋 潤太郎 / Inter BEEニュースセンター

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サンタモニカ・ピアから、大規模な被害を出したパシフィック・パリセーズ、マリブ方面を望む。まだ完全に鎮火はしていないものの、煙や炎はある程度収まり、普段と変わらぬ青空が広がっている。(1月12日 日曜日午後、筆者撮影)。

新春のハリウッドは、いよいよ映画賞レースのシーズンに突入した。

そんな中、2月11日火曜日に開催予定の第23回VESアワード受賞式に向け、そのノミネート作品を選出する為の審査会が、世界各地にて開催された。

この審査会では、審査員に立候補したVESメンバー有志の投票によってノミネート作品が選定される。世界中に会員を有するVESは、ロサンゼルス/サンフランシスコ/ジョージア/ニューヨーク/オレゴン/テキサス/ワシントン/バンクーバー/トロント/モントリオール/フランス/ニュージーランド/オーストラリア/ドイツ/インド/ロンドンという全16セクションもの地域で審査会が実施されたという大規模なもので、ここでノミネート作品の投票が行われた。

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昨年のロサンゼルスでのノミネート審査会の様子。(筆者撮影)

ノミネート審査会は1月11日土曜日の朝8時半(各現地時間)から開催され、一番早く夜が明けるニュージーランドのセクションから始まり、地球の自転に沿ってサンフランシスコとロサンゼルスのセクションで終了するという、まさに地球規模での審査会となった。

ロサンゼルスでは、FOTOKEMとCOMPANY3という2箇所のポスト・プロダクション施設にて審査会が予定されていたが、折しも1月7日火曜日に発生した大規模な山火事の影響により、急遽バーチャル審査会へと変更された。

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ポスプロでのノミネート審査会が、急遽バーチャルに変更された事を知らせる、VES事務局からのメール。

この2会場は、どちらも延焼区域からは離れているものの、移動中の安全や、煙による大気の影響などを考慮し、現地での審査会からZOOM形式に置き換えられる形となった。この、突然の対応に追われたVES事務局のIT担当の皆様のご苦労には、頭が下がる思いである。

元々、ロサンゼルスの審査員は試写室ごとにチーム分けされ、当日はそれぞれのポスト・プロダクション施設で審査をする予定であった。急遽バーチャルに切り替わった事で、各チームには試写室毎にZOOM会議のリンクが配信され、その会議に「入室」する形でバーチャル審査が行われた。

入室直後は、映像が出ない/住宅の回線都合で再生速度が遅い/音声が出ない…、などの「ZOOMあるある」トラブルが見られたものの、そこは在宅リモート勤務に慣れたVFX関係者とあって、順次解決。全体としては比較的スムースに進められた。

VESアワードは25の受賞カテゴリーに分類されており、それぞれの地域の各チームは平均で2~3カテゴリーが割り当てられ、朝8時半から午後4時ごろまで、審査を進めていく。中には30本ものエントリー作品があるカテゴリーもあり(汗)、これを全部審査した上で、ノミネート作品を選出していくのも、なかなか気骨の折れる作業である。

こうして選出された作品は、1月14日にノミネート作品が発表され、2月11日火曜日にビバリーヒルトンホテルにて開催される第23回VESアワード受賞式にて、受賞作品の発表と表彰が行われる予定となっている。

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延焼区域からかなり離れたLAの市街地においても、煙の影響で薄暗く、太陽を遮る煙で風景はオレンジ色に (1月8日水曜日朝、筆者撮影)

今回の大規模な山火事は、最初の出火からほぼ1週間が経過する1月13日現在、ある程度収まったとは言え、まだ延焼中である。筆者の元にも、日本の方から「大丈夫ですか?」というご連絡を沢山頂いた。実際のところ、延焼している山脈や地域はLAの中心部からかなり離れたエリアにある。今回、特に被害が大きかった海外沿いの高級住宅地パシフィック・パリセーズの地域は、筆者が住むエリアからは車で45分ほど離れた場所である。しかしながら、一時は煙で太陽が遮られ景色がオレンジ色に染まり、空からは灰が降ってきたり、大気が焦げ臭かったりと、大規模な山火事である事を感じずにはいられない事態であった。

このように、ロサンゼルスではVESアワードのノミネート審査会が山火事の影響を受ける事態となったが、3月に開催されるアカデミー賞も例外ではないようだ。アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーは、第97回アカデミー賞のノミネート作品の発表を、今回の山火事の影響により、2度に渡って延期した。当初は1月17日の発表が予定されていたが、それが19日に変更され、最終的に23日に発表が行われることになった。

以上、ロサンゼルスの大規模な山火事がハリウッドの映画賞にも影響を与える事態となったニュースをお伝えさせて頂いたが、今回の山火事が1日も早く、完全に鎮火する事を願うばかりである。

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普段は膨大な数の車が行き交う、海岸沿いのPCH/パシフィック・コースト・ハイウェイは完全封鎖中。ガラガラのハイウエイは、地元民にとっては、異様な光景である。走っているのは、警察と消防車両のみである。(1月12日 日曜日午後、筆者撮影)
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