Inter BEE 2024 幕張メッセ:11月13日(水)~15日(金)

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メディア・ソリューション 2021.10.19 UP

【INTER BEE CONNECTED】基調講演「放送同時配信はテレビを救うか」事前レポート〜放送の未来を、NHKと民放が共に語り合う場〜

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InterBEE特別企画、INTER BEE CONNECTEDでは今年も充実したセッションが展開される。初日11月17日(水)12:30からの基調講演は同時配信がテーマ。昨年NHKが「NHKプラス」のサービス名で同時配信を本格スタートしてから1年半が経った。一方、民放側も日本テレビが昨年秋の3ヶ月間のテストを経たのち、10月からサービスを開始。他のキー局も年度内までにはスタートすると発表している。まだ時間は限定的だが、テレビ放送同様のNHKと民放キー局によるリアルタイムの番組配信が、ネットを通じても始まることになる。

NHK、日本テレビ、TVerから3名が登壇

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CONNECTEDの基調講演では、この放送同時配信についてNHK民放それぞれの側の運営担当者と、民放側のプラットフォームとなるTVerから登壇する。様々な立場からの期待と懸念が飛び交う同時配信は、果たしてテレビにとって救いになるのか。意義ある議論になりそうだ。ここでは事前打合せの議論の内容をレポートしたい。

Zoomによる打合せに参加したのは、当日登壇するNHKデジタルセンター専任局長の西村規子氏、日本テレビ営業局総合営業センター部長の佐藤貴博氏、TVer取締役事業本部長の蜷川新治郎氏、そしてモデレーターのワイズ・メディア取締役メディアストラテジスト塚本幹夫氏。蜷川氏は都合により挨拶後に退出し、残る3名で当日の進行を議論した。

同時配信についての貴重な情報と意見を期待

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塚本氏が提示したアジェンダのたたき台。当日変わる可能性がある。

INTER BEE CONNECTEDでは2015年にも「放送同時再送信」(当時は同時配信のことが同時再送信と呼ばれていた)をテーマにしたセッションを行い、塚本氏がモデレーターを務めた。それから6年が経ち、ようやく同時配信が実現したことを感慨深く振り返りながら、塚本氏がセッションの進行案を示した。

NHKと日本テレビ、それぞれの同時配信の振り返りから始まることになるが、これについては西村氏、佐藤氏それぞれが、可能な範囲での情報共有をしたいとのことだった。外から見るとベールに包まれているように思える同時配信の、具体的なデータなども知ることができそうだ。

サービス・ビジネス上の狙いについて、佐藤氏が興味深いことを言った。「我々民放はAVODですが、NHKさんは言わばSVODです」ネット上で放送を配信すると、確かにそういう捉え方になるだろう。このセッションを聴講する上で持っておきたい視点だと感じた。

同時配信は、NHKと民放の未来への共創領域

同時配信に対しては、放送を棄損しないかとの意見もよく言われる。これについて佐藤氏はネットを中心に生活する人が増えていることから「ネットにいる人たちに届ける、少しでも帰ってきてもらうためにやるのが目的です。」と明解に説明した。これを受けて西村氏は「NHKプラスでリーチが広がり、放送に帰ってくる動きがあります。」と補足。放送局が配信する意義を、互いに認め合っていた。

事前打合せを取材して放送同時配信とは、時に対立しがちなNHKと民放が同じ思いで新しい領域に踏み出す、共創の場であると感じた。ネットに出るからこそ、放送の新たな価値が生み出せる。長年の懸案だった同時配信がついに実現しつつあることを、NHKと民放が同じ場で語り合うことには、放送の進化にとって大きな意義がありそうだ。当日の議論を、ぜひ皆さんも期待していただきたい。

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