Inter BEE 2024 幕張メッセ:11月13日(水)~15日(金)

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Special 2021.11.09 UP

【Inter BEE CURATION】ビデオリサーチ「VR FORUM 2021」今年の見どころは? 〜主催者インタビュー

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、InterBEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、Screensに2021年11月5日に掲載された『ビデオリサーチ「VR FORUM 2021」今年の見どころは? 〜主催者インタビュー』の記事です。お読みください。

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株式会社ビデオリサーチが主催する国内最大級のテレビメディアフォーラム「VR FORUM 2021」が、2021年11月11日(木)にオンライン開催される。

今回のテーマは「加速するDXがもたらす テレビメディアの変化と進化を考える」。コロナ禍によって急激に加速するDXの流れのなかで、テレビメディアが持つ「新たな価値」、そして「変わらぬ価値」について、業界のキーパーソンを招いたセッションが行われる。

本記事では、「VR FORUM 2021」の運営を統括する、株式会社ビデオリサーチ 取締役常務執行役員の尾関光司氏にインタビュー。セッションで展開される具体的なトピックス、そして今回のテーマに込める思いについて伺った。

生活の変化に「DXがシンクロした」今、テレビメディアのかたちを考える

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──「加速するDXがもたらす テレビメディアの変化と進化を考える」という今回のテーマの背景について、教えてください。

尾関氏:メディア全体がデジタル化の流れにあるなか、テレビも例外ではありません。コネクテッドTV(インターネット回線に接続されたテレビ端末、略:CTV)は徐々に存在感を増し、キャッチアップ(見逃し配信)やNetflixなどのSVOD(定額制動画配信サービス)のシェアが増え、いまやテレビ画面に映るものは、放送だけとは限らなくなったのです。

さらに新型コロナウイルスの影響で、外出自粛やテレワークの促進によって「おうち時間」が増え、生活のパターンも大きく変化したところにDXがシンクロし、そのスピードが加速しているとも表現できるでしょう。

──コロナを経て、コンテンツの見られ方も大きく変わったように感じます。

尾関氏:これまでは「何かをしながら見流せるコンテンツ」が主流でしたが、今は「ひとつのコンテンツを集中して楽しむ」ということも存在感を増してきたように感じています。オンデマンド視聴など“時間から解き放たれた”形での視聴が浸透したこともあり、「自分の時間が空いているときにじっくり見る」という傾向が顕在化したのではないでしょうか。

その一方で、ひとつのコンテンツを複数人で一緒に楽しむ「共視聴」のニーズも高まっています。LINEやチャットなどで友達と「会話」しながらテレビを楽しんでいるという方も多いのではないでしょうか。コロナによって人がリアルに集まる機会が減り、人と人とが分断されるなか、ライブのスポーツなどをみんなで見て共感したい、という思いは強さを増しています。

コロナによって生活や仕事のスタイルが変わり、メディアのスタイルが変わり、DXが一段と加速した今こそ、テレビメディアのこれからのかたちを考えるべきなのではないか── そう考え、今回のテーマを掲げました。

「新視聴率」をはじめとする、「視聴率の概念拡張」について語る

──今回開催されるセッションの内容、見どころを伺いたいと思います。キーノート「『これからの視聴率』について考える。2021」では、どのような内容を予定していますか。

尾関氏:本キーノートでは、私、尾関が以下3つのテーマを含めたお話をさせていただきたいと思います。

1つは、弊社が2020年4月以降に、計測を拡大した「新視聴率」について。

「新視聴率」は、全国の調査エリアを統一し、同一の水準で、365日分の機械式の個人視聴率データをタイムシフト含めて計測するものです。2020年4月では全国27地区まで拡大しましたが、今年10月4日からはさらに5地区拡大し、民放の放送エリア全32地区での計測を行っています。

この取り組みを進めることで、推進される取引基準のP+C7(リアルタイムの番組枠平均視聴率(P)+7日間内のCM枠平均タイムシフト視聴率(C7)。算出基準は個人全体。)をテレビ局や広告会社、広告主のみなさまにご提供することができるようになりました。

次は、テレビ局がデジタル化による変化に、いかに対応するべきかについて。

CTVの普及が進み、デジタルプラットフォームがテレビデバイスの中に入ってくる流れが加速しているのに対し、テレビ局においてもTVerやYouTubeなど、自社のコンテンツをデジタルプラットフォームに出していく流れが生まれています。こうした変化を踏まえ、われわれが新視聴率に加えて、さらに推し進めようと考えているデジタル化への取り組みをお話したいと思います。

最後は、こうした変化を踏まえながら、どのように視聴率というものの考え方を広げていこうとしているか、という「概念拡張」についてです。

「新視聴率」によって全国統一基準での視聴率計測が可能となりましたが、デジタル化が益々進んでいくなかで、視聴率の概念そのものを拡張していかなければならないタイミングに、今まさに差し掛かっているのではないかという思いがあります。

近年、テレビ各局は、新たなコンテンツ発信の領域としてデジタルプラットフォームに次々と打って出ています。現在、ビデオリサーチではTVerの視聴測定をサポートさせていただいておりますが、今後は、さらにその外にあるデジタルプラットフォームのコンテンツに関しても測定を行っていきたいと考えています。

「テレビ局由来のコンテンツ」は全体としてどれだけ見られているのか。さらにそれは、デジタルコンテンツとの間において、接触の大きさにどのような違いがあるのかということも同時に見ていかなければならない時代になっていくのではないでしょうか。キーノートでは、こうした課題についても、お話させていただきたいと思います。

DX時代に「広告主がテレビ局に期待するもの」を探る

──Session1「テレビ×デジタルに求められる指標とデータ活用の可能性について」の見どころを教えてください。

尾関氏:今秋から一部民放で地上波のネット同時配信が開始されています。こうしたテレビ局のDX化とサービス拡充が進んでいる現状を踏まえ、広告主が求める視聴データのあり方や、テレビ×デジタルの領域で求められる指標とデータ活用の可能性についてディスカッションを行います。

登壇者は、株式会社リクルート マーケティング室ブランドプランニングユニット長の熊切淳氏。株式会社フジテレビジョン 営業局局長職兼デジタル営業部長スポット営業部管掌の戸津川隆元氏。そしてモデレーターを、株式会社ビデオリサーチ 営業局営業企画部長の河辺昌之が務めます。

──デジタル化における課題として、効果測定の具体的・横断的な指標設定や、データ活用の形が議論されています。広告主サイドのリアルな声を聞けるという点は非常に興味深いですね。

尾関氏:広告主は1社1社ユニークな存在であり、広告活動、マーケティング活動におけるKPI(Key Performance Indicator:業績評価指標)も各社各様です。テレビメディアに対する期待もさまざまですし、それによって広告商品の使い分けも当然異なってきます。また、同じ会社であっても、商材ごとにアプローチは細かく分かれていくでしょう。

「今、広告主はテレビメディアにどのような期待を持っているのか」というテーマについて、リクルートの熊切氏には広告主としてのご意見を、フジテレビの戸津川氏にはテレビ局として、リアルな取り組みの現状を伺い、「テレビ×デジタル」の効果を測定する指標についての展望を深められればと思います。

番組・CMにおいて「質」を通じた視聴者の「心の動き」を具現化、テレビのメディア価値を示す

──データ活用という面においては、Session2「視聴質指標の開発について」の内容も関心が高いところです。このテーマにはどのような背景が込められていますか。

尾関氏:デジタルプラットフォームにおける効果測定では広告主ごとのKPIに基づいて広告効果を判断するケースが一般的ですが、この場合どうしても効果や効率の面に判断軸が置かれがちです。CTR(Click Through Rate:クリック率)なども大事ですが、なによりテレビにはムードを作る力、ブランディングの力がある。こうしたテレビならではの「質的な強み」を語らなければならないという思いが、このセッションの背景にはあります。

約60年にわたってコンテンツを測定してきたビデオリサーチとしては、効果・効率だけでなく、「番組やCMで視聴者の心がどう動いたのか」という“視聴質”についてもセットで語りたいのですよね。これを具現化することによって、番組やCMに対する具体的な受け止められ方や、態度変容および行動変容を明確にし、テレビのメディア価値をまた別の角度から示していきたいと考えています。

──セッションの見どころを教えてください。

尾関氏:このセッションでは、サントリーコミュニケーションズ株式会社 宣伝部長の牧野清克氏、株式会社電通 ソリューション・クリエーション・センターSPの谷内宏行氏を迎え、コンテンツを通じた態度・行動変容の構造を解明する手段としてのSNSデータ活用の考え方についてディスカッションいたします。モデレーターは、株式会社ビデオリサーチ 執行役員兼テレビ事業局長の橋本和彦が務めます。

電通さんは外部企業との積極的な取り組みが特徴的であり、サントリーさんはコンテンツにおける表現を非常に大切にされています。今回のセッションでは、電通さんには具体的な取り組みのお話を、サントリーさんには広告主として、CMのみならず番組についても感じられていること、視聴者の心を動かす「質的な部分」として考えられていることを伺っていきます。

ビデオリサーチでは、SNSのデータを分析し、コンテンツに対するポジティブ・ネガティブ感情や態度変容、拡散の過程を統合的に見ることのできるソリューションを来春、商品化する予定です。セッションでは、その具体的なアウトプットについても、お話させていただければと思います。

DX化の“その先”を見据えた取り組みが見える「VR FORUM 2021」

──今回の「VR FORUM 2021」開催への思いを教えてください。

尾関氏:「VR FORUM 2021」で特にお伝えしたいのは、「DX化のなかでテレビの位置づけが変わる」ということです。前年の「VR FORUM 2020」では「メディアの新しい価値」をテーマに掲げましたが、今年はさらに“その先“へと議論が進み、次の時代のデータのあり方を考えていくフェーズに入りました。

今年の「VR FORUM 2021」では、全国で本格稼働をはじめた「新視聴率」をベースに、さらに“その先”をどう見据え、どう発信していくのか、ビデオリサーチとしての考え方や具体的な取り組みをお伝えいたします。

──最後に、読者のみなさんへ向けてメッセージをお願いいたします。

尾関氏:DX化がどんどん加速し、テレビメディアも大きく変化してきているなかで、不安な気持ちを抱かれている方もいらっしゃることでしょう。あるいは「こんな時代だからこそ」と挑戦の気持ちを燃やしている方もおられることと思います。

今まさにビデオリサーチは、次の時代を見据えて前に進んでいくための道を切り開いているところです。今回の「VR FORUM 2021」を通じて、その具体的な形をご覧いただき、じっくりとお話をさせていただくことで、まっただなかにあるDX化の“その先”を少しでもお示しすることができたらなと思っています。是非ご一緒に、意見交換をさせてください。

今年も前年同様、リアルタイムでの配信に加えて開催後にアーカイブ配信を実施します。できるだけリアルタイムでご覧いただきたいですが、難しい方はアーカイブ配信でもご覧いただけます。業界関係者のみなさまはもちろん、テレビ業界・コンテンツ業界に関心をお持ちの方にも広くご参加いただければ幸いです。(アーカイブ配信の視聴は、事前にお申込みいただいた方を対象とさせていただきます。配信期間は別途お伝えさせてください。)

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