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Special 2024.03.22 UP

【Inter BEE CURATION】ラジオの聴取率とは?ビデオリサーチが解説 ~最新のラジオ聴取状況を分析!~

VR Digest編集部 VRダイジェスト+

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※INTER BEE CURATIONは様々なメディアとの提携により、Inter BEEボードメンバーが注目すべき記事をセレクトして転載するものです。本記事は、ビデオリサーチ社の協力により「VRダイジェストプラス」から転載しています。

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅ラジオの聴取率調査の仕組みに関心がある方
✅自社の商品/サービスをラジオCMで宣伝しようと検討している方
✅ラジオCMの出稿による効果・成果を知る方法を求めている方

ラジオやニュースで「聴取率」という言葉を耳にしたことはありませんか?
何となく耳にしたことはあるものの、意味や用途までは分かりませんよね。

結論、「聴取率」とは、どれくらいの人がラジオを聴いていたのかを表す割合のことで、ラジオの媒体力や広告効果を測るひとつの指標として利用されています。

よく混同されがちな「視聴率」とは、異なる指標なので注意が必要です。

この記事では、1990年から「ラジオ個人聴取率調査」を行うビデオリサーチが、ラジオの「聴取率」について詳しくご紹介します。

記事の中でご紹介しているサービスはこちら
ラジオ個人聴取率調査
ラジオ365データ

1.ラジオの聴取率とは?

ラジオの聴取率とは、どれくらいの割合の人がラジオを聴いていたのかを表す指標です。聴取率をみていくと、世の中でどれくらいの人がどのようにラジオに親しんでいるのかがわかります。そのためラジオ局の番組制作・編成に活用されたり、広告取引の参考として使われたりすることもあります。

また、ラジオの「聴取率」は個人で聴く場合が多いので、調査は個人単位(12~69才の男女)で行われています※1。

そのため、正式には「個人聴取率」と表記されることが多いですが、以降の文章では「聴取率」と略して表記します。

※1 首都圏ラジオ個人聴取率調査の'90年4月~'01年8月は、男女12~59才が調査対象

聴取率の調べ方

ビデオリサーチでは現在、インターネット上での日記式調査(アンケート調査)により調査対象者の1週間の聴取状況を取得しています。

調査対象者は、1週間のラジオ聴取について、日記形式で以下のような記録を行います。

① 何時に聴いたのか
② どのラジオ放送局の番組を聴いたのか
③ どこで聴いたのか

調査の対象となるのは、国内のラジオ局が放送する番組のリアルタイムでの聴取のみです。

ラジオ放送波の受信機器(ラジカセやカーラジオ等)や、IPサイマルラジオ※2(radiko・らじる★らじる)での放送と同時の聴取が該当します。

※2 ラジオ放送をインターネットを介し、音声再生可能なPCやスマートフォンへ配信するサービス

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つまり、録音やradikoのタイムフリー機能、またはポッドキャストなど放送時間以外で番組を聴取した場合、聴取率には含まれていません。

聴取率の調査期間と実施時期

聴取率調査は、調査地区を次の3つの地区に分けて実施しています。

① 首都圏
② 関西圏
③ 中京圏

以下は、地区ごとの調査回数等をまとめた表になります。

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調査は首都圏で年6回、関西圏・中京圏では年2回実施しており、調査期間はいずれも1週間です。

2.ラジオの聴取率の算出方法

番組ごとの聴取率(番組平均聴取率)は、番組の放送時間内における「毎5分聴取率」を足し上げ、番組の時点数で割ることで算出できます。

具体的には、以下図2の通りです。

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ニュースなどで聴取率の調査結果が扱われる際の「同時間帯1位」といった表現は、図2のように算出した「番組平均聴取率」を同じ時間帯に放送する各局の番組と比較したときに、もっとも高い番組であることを指しています。

~ちなみに~到達率とは

聴取率のほかに、よく使われる指標として「到達率(リーチ)」があります。

聴取率が特定の時間帯や番組を平均でどれくらいの割合の人が聴いていたか示すのに対し、到達率はどれくらいの人が"少しでもラジオを聴いていたか"を割合で示す指標です。

番組到達率の算出方法
番組到達率(リーチ)は、放送時間内に番組を聴いた人数を、全体の人数で割ることで算出できます。
詳細は、以下図3の通りです。

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聴取率1%あたりの人数は?

結論から申し上げると、聴取率1%あたりの人数は、首都圏調査エリアで約26.1万人です。

1%あたりの人数を算出する公式は以下の通りです。

調査エリア内推定人口×個人聴取率=推計聴取人数
  約2,609万人※  ×  1% = 26.1万人
※首都圏調査の対象エリア1都3県の男女12~69才の人口を推定した値(2023年4月度)

この式からわかるように1%あたりの人数は、エリア内の推定人口によって決まります。
そのため調査地区や掛け合わせる人口母数によって、1%あたりの人数は異なるので注意が必要です。

聴取率と視聴率の違い

聴取率と視聴率の違いは、大きく分けて次の3点です。

① 計測対象
② 調査対象
③ 調査方法

それぞれ詳しく解説します。

①計測対象の違い
視聴率はテレビ所有世帯のうち、テレビ番組やCMがどれくらいの世帯や人に見られていたかを表す割合であるのに対し、聴取率は調査エリア内のうちラジオ番組やラジオCMがどれくらいの人に聴かれていたかを表す割合です。

計測の対象がテレビとラジオという点で異なっています。

②調査対象の違い
個人で聴かれることが多いラジオでは、調査対象が個人単位であるのに対し、テレビの視聴率は世帯単位/個人単位でデータを算出している点も違いと言えるでしょう。

なお、テレビの「視聴率」について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】
「個人視聴率と世帯視聴率」 ビデオリサーチが解説 視聴率基本の『キ』

③聴取率と視聴率の調査方法の違い
当社では、テレビの視聴動向を示す「テレビ視聴率」の調査も行っています。聴取率と視聴率の調査手法の違いについて、一覧で確認してみましょう。

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ラジオ聴取率はWEB上で定期的な日記式調査(アンケート調査)を行っているのに対して、テレビ視聴率では「ピープルメーターシステム」と呼ばれる機械式を採用しており、毎日毎分のデータを取得できます。

一方、ラジオ聴取率調査ならではの特徴として、対象者のプロフィール調査を行っていることが挙げられます。これによってラジオリスナーの特徴がさまざまな角度から分析できます。詳しくは次の章の中でご紹介します。

3.【ビデオリサーチ調べ】最新のラジオの聴取状況をデータでご紹介

ここからは、ビデオリサーチのラジオ個人聴取率調査から最新のラジオの聴取状況をご紹介します。

①ラジオの到達率とリスナーの聴取時間

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2023年8月度の調査では、1週間のうちにラジオを聴いた人は52.0%と男女12-69才の半数以上です。リスナー(ラジオを聴いた人)の平均聴取時間(1週間累積)は11時間12分で、1日あたり1時間36分程度聴かれていることになります。

②聴取場所の地域比較

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次に、ラジオリスナーのラジオ聴取場所の構成を地域別にみていきます。おもに自宅内で視聴されるテレビとは異なり、ラジオは自宅外で聴取される割合が高いメディアです。中でも中京圏は「車の中」の聴取が首都圏・関西圏に比べて高く、「車社会」という特徴が見受けられます。

③性年代別の時間帯による聴取の変化

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リスナーの年代別での一日のリアルタイム聴取の動きをみていくと、年代が上がるほど聴取の山が大きくなっていることがわかります。特に男女50~69才では朝の7時台をピークに午前中から夕方にかけて多くの聴取が見られます。一方で、学生の多い10代は8時~15時台の日中の聴取が少なく、夕方以降の聴取が増えています。

④ラジオリスナーのラジオに対する意識
最後にラジオ聴取率調査で実施しているプロフィール調査を用いて、ラジオリスナーのラジオ放送・ラジオ広告に対する意識をみていきます。

●10-20代ラジオリスナーのラジオ聴取のきっかけ
高齢層に多いラジオリスナーですが、その中でも若年層のリスナーはどのようにラジオに親しんでいるのでしょうか。

下の表では、10-20代のラジオリスナーのラジオ聴取のきっかけについて、特に12-69才リスナーとの差分が大きい項目を示しました。

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※ビデオリサーチ「ラジオ個人聴取率調査」 首都圏2023年10月 プロフィール調査結果
※ラジオリスナー:調査期間1週間(5時~翌5時)において5分以上ラジオを聴いた人
※()内:男女12-69才ラジオリスナーとのスコア差分

「好きなタレントやアーティストがDJ・パーソナリティを務める番組があったから」は、割合・全体との差分がともに最も高くなっています。差分が次に大きいのは「YouTubeやHAKUNA Liveなどの同時配信を見て面白いと思ったから」という項目です。

若年層ラジオリスナーはメディアの種類にとらわれずに、好きなタレントやコンテンツを追いかける過程で、ラジオに接触しているという特徴が見受けられます。

「スマートフォンでラジオが聞けるようになったから」といった項目も上位に位置しており、「radiko」や「らじる★らじる」の登場が若年層のラジオ聴取に影響を与えていることもわかります。

以下の記事では、radikoの登場によるラジオ聴取の変化についてもご紹介しています。
【関連記事】
radikoの登場がラジオにもたらしたモノは...! データで読み解く令和のラジオ聴取

●ラジオ広告の印象

プロフィール調査からはラジオ広告に対する意識も分析できます。

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図7には、ラジオリスナーのラジオCMに対する印象について、インターネット広告(動画・動画以外)と比較して示しました。

インターネット広告に大きく差をつけているのが「企業や商品に親しみがわく」「信頼できる広告」といった項目です。ラジオリスナーは、好意的にラジオCMを捉えていることが読み取れます。

さらに広告によって商品やサービスを「欲しくなったり、利用したくなることがある」、「実際に購入(利用)したことがある」という回答もインターネット広告よりも高いスコアとなっています。ラジオCMはラジオリスナーに親しみをもって受け入れられているだけでなく、購入を促す効果もあることがわかります。

4.おわりに

今回はビデオリサーチが実施する「ラジオ個人聴取率調査」の仕組みや、聴取率の算出方法についてご紹介しました。最新のラジオ聴取データからもわかる通り、ラジオは世代や場所に問らわれることなく、多くの人の生活に寄り添うメディアです。さらに、ラジオCMについても多くの人に好意的に受け入れられています。

ビデオリサーチでは他にも、ラジオ聴取率調査を使って毎日の聴取状況を推計する「ラジオ365データ」を提供しています。これにより、聴取率調査を行っていない日でもラジオの聴取状況を把握することが可能になりました。

「ラジオ365データ」の詳細はこちら

今後もビデオリサーチでは、ラジオやラジオ広告ならではの魅力を分析していきます。「ラジオ個人聴取率調査」についてご興味をお持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ラジオ個人聴取率調査」
・対象地区:首都圏・関西圏・中京圏

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