Inter BEE 2024 幕張メッセ:11月13日(水)~15日(金)

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Special 2024.03.29 UP

【Inter BEE CURATION】テレビ購入・買い替えで利用はどう変化したか。10年分のデータからひも解いてみた!

重光ゆみ VRダイジェスト+

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この記事はこんな方にオススメ!
✅ 生活者のテレビの利用やコネクテッドTV(CTV)利用に興味がある方
✅ テレビの買い替え時期に関して興味がある方

1. テレビ、何年使っていますか?

皆さんのお宅のテレビはいつ購入されたものでしょうか?
最新の、インターネットに繋がっている大きな画面のテレビをお持ちでしょうか?
地上波デジタル放送完全移行(地デジ化)に向けて購入した、アナログボタンが共存したリモコンのテレビがまだ元気に稼働しているでしょうか?

この10年間、テレビをどのように購入し、どのように利用してきたのか、そしてこの後どんな利用方法が広まっていくのかを、当社が保有する日本最大級の生活者データベース「ACR/ex」(※)のデータを基にひもといてみましょう。

※「ACR/ex(エーシーアール エクス)」は、2014年より毎年、主要7大都市において約1万人に対して15,000項目以上を調査しており、生活者を"利用・購入者"と"オーディエンス"の両側面で捉えている日本最大級のシングルソース・マーケティングデータです。

2. テレビの買い替えは「5年を目安に」が半数

まず、ACR/exの「自宅内で一番最近買ったテレビがいつ買ったものか」という質問項目から、過去10年間のテレビ購入の傾向をみてみましょう【図1】。
買ったばかりの人に焦点をあててみると、2014年には「2年以内でテレビを買った人」が全体の23.8%を占めていました。2011年7月(東北3県は2012年3月)の地上デジタル放送完全移行の後に、対応テレビを買い増していた様子が伺えます。

購入して1年未満の割合の推移をみると、2020年以降に増えており、ここ10年間で最も多いのは2021年です。2020年にコロナ禍に入ったことで在宅時間が増え、テレビ放送の視聴機会が増えたことで、買い替えや買い増しが発生したことが推測されます。さらに2021年は東京オリンピック開催年です。1964年の東京オリンピックに向けて家庭にテレビが普及したことにはじまり、オリンピックのような大きなイベントがあるとテレビを買い替える人たちは今も一定数存在しているようです。大きなイベントや出来事がテレビの買い替えの一つのきっかけとなるのです。
では、それ以外の買い替えタイミングはどのように考えられるでしょうか。

5年未満の割合をみると2014年から2020年にかけて減少していますが、2021年以降は横ばいとなっています。つまり、現在は生活者の約半数が5年以内に購入したテレビを使っている状態で推移しており、購入から5年という時期が買い替えの一つの目安になると推察できます。新しい機能や、生活者自身の生活変化の中で、5年を目安に新しいテレビが欲しくなるのかもしれません。
一方で、10年以上前に買い替えたテレビが最新のままという層も増えており、2023年には約15%います。これは地デジ化対応で買い替え・買い増して以降、同じテレビを使い続けている人たちが一定数残っていることを示しています。

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3. 新しいテレビを買うと、テレビの利用が増える?!

最近のテレビは、リアルタイムの放送を視聴するためだけではなく、インターネットに接続することで様々な用途で利用できるようになっています(コネクテッドTV、CTV)。2023年時点でテレビを買い替えて1年未満の人(以下、「新しいテレビユーザー」)と、10年以上経過している人(以下、「テレビ長期ユーザー」)でテレビ利用の仕方に違いがあるのか、データをみてみましょう【図2】。

【1年前に比べて増えた行動】をみると、新しいテレビユーザーの方が
・テレビで地上波(NHKや民放各局)の放送をリアルタイムで見る時間
・録画したテレビ番組(ビデオ・ブルーレイ・DVD・HDDなど)を見る時間
・テレビ画面(テレビデバイス)で動画配信サービス(YouTube、TVer、ABEMAなど)を利用し、動画を見る時間
が増えた人が多いことが分かります。新しいテレビを購入し、テレビの放送を見る時間、テレビ画面で動画配信サービスを見る時間など、広くテレビの利用時間が伸びていることがわかります。

また、平日・土曜日・日曜日の自由時間の過ごし方では、いずれも新しいテレビユーザーの方が「テレビ画面で動画配信サービス(YouTube、TVer、ABEMAなど)を利用し、動画を見る」行動が多くなっています。

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ここから、新しいテレビを買うことが、テレビデバイス自体の利用時間増加につながる可能性を推察できます。しかし、「新しいテレビユーザー」に、新しいサービスを使いたい・使いこなす若い人たちが多いことや、そもそもテレビの前にいる家族の構成が異なることが、この違いの要因となっている可能性も考えられます。これを確かめるために、新しいテレビユーザーとテレビ長期ユーザーのプロフィールを比較してみます【図3】。

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性年代構成をみると、テレビ長期ユーザーは女性40,50代の割合が大きく、全体的に年齢の高い層がやや多いという特徴があります。また、家族形態では、新しいテレビユーザーで夫婦2人だけ世帯の割合が個人全体より多いという特徴がみられます。結婚に伴う引っ越しでテレビも新しく購入している人たちと考えられます。つまり、「新しいテレビユーザー」は確かにやや若く、夫婦二人だけの世帯も多く、これらが"新たに買ったテレビを積極的に活用する背景要因"の一つにはなりえそうです。

続いて、性・年代別に自由時間の過ごし方について確認します【図4】。
すると、新しいテレビユーザーはどの年代でも、テレビ長期ユーザーよりも「テレビで動画配信サービス(YouTube、TVer、ABEMAなど)を利用し、動画を見る」が多くなっています。また、1年前よりも増えている行動で「リアルタイムでテレビを見る時間」が、男性20-60代、女性20,40,60代などの幅広い年代において長期ユーザーよりも新しいテレビユーザーの方が高くなっています。

つまり、年齢層が高くても、新しくテレビデバイスを購入した人たちには、テレビのリアルタイム視聴の増加や、テレビ画面での動画視聴への積極的な態度などの特徴がみられたということになります。特に動画視聴意向の強い人たちがテレビを買い換えやすい(最新のテレビを導入しやすい)ということも考えられますが、おそらく、せっかく買った新しいテレビデバイスとスムーズに使えるようになった新しい機能(インターネット接続や動画配信サービスのダイレクトボタンなど)をより活用しようという意識が生まれ、テレビモニターの利用自体が増えるということが同時に起きていると考えるのが自然です。したがって、これから、地デジ化以降テレビを買い替えていなかった「テレビ長期ユーザー」の世帯でも買い替えがおきると、新しい高機能なテレビを活用して、さまざまなコンテンツ・サービスをより一層楽しむようになるということが予想できるでしょう。

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4. テレビの買い替えは続く

この10年間、どのようなタイミングでテレビを買い替え、それがテレビデバイスの使い方にどう影響したのかをみてみました。
デジタルテレビの技術の進化とテレビで見られるコンテンツの拡大によってより"テレビを観る"を堪能している新しいテレビユーザーの姿がみえました。今後もテレビ長期ユーザーがテレビの買い替えをしていくことになりますが、買い替えた人たちがどのように"テレビを観る"にまつわる楽しみを増やしていくのか、継続的にみていきたいと思います。

ACR/exではテレビ以外にも、様々な商品やそれを活用する意識や行動などについて調査をしています。また、「ひと研究所」では、ACR/exをはじめとしたビデオリサーチの豊富なデータを用いて生活者の研究を進めています。
生活者の意識や行動がどのように変化していくのか、ご興味お持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちら

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
・調査時期:2014年~2023年4~6月(春調査回)
・対象地区:東京50㎞圏・関西・名古屋・北部九州・札幌・仙台・広島
・ターゲット:
新しいテレビユーザー:最近買ったテレビはいつ買いましたか?=1年未満
(2023年春調査:エリア内推定人口 4577千人)
テレビ長期ユーザー:最近買ったテレビはいつ買いましたか?=10年以上前
(2023年春調査:エリア内推定人口 7165千人)
※集計は、調査対象7地区のエリア内推定人口の比率をもとに、ウエイト値を用いて算出

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