【Inter BEE 2020】バルコ 大型LEDディスプレイ「LED XTシリーズ」の新ラインアップなど各種高精細ディスプレイ装置を出展 リモートミーティング向けClickShare CXシリーズも出展
バルコは、11月18日から20日の3日間、オンライン開催するInter BEE 2020 ONLINEに出展し、大型LEDディスプレイ「LED XTシリーズ」など、高性能表示装置やイメージプロセッサーを出展。また、リモートミーティング向けに導入が進む、「ClickShare CXシリーズ」も出展する。
主な出展予定製品は以下の5種類。
(1)大型LEDディスプレイ:LED XTシリーズ
(2)ベゼルレスLCDディスプレイUniSee
(3)中・高輝度プロジェクター
(4)イメージプロセッサー
(5)ClickShare コンファレンス CXシリーズ
■信頼性を継承しながら低コストを実現した大型LEDディスプレイ「LED XTシリーズ」
バルコは昨年、中国のLEDメーカーUniluminと戦略的パートナーシップを締結し、高輝度LEDのXTシリーズを発売した。今年4月には、大型サイネージ、屋内設備向けのLED製品の新モデル5機種を日本で発売開始。バルコの高い信頼性を継承しながら、低コストを実現した製品として、小規模サイズから、大規模な構成まで、広がるLED需要に対応する。
XTシリーズはアスペクト比16:9の1枚27インチのLEDタイルで、0.9~2.5mmの5種類のピクセルピッチから選択できる。特徴は、27インチのLEDタイルを任意に組み合わせて小規模から大規模まで自在に構成可能な点にある。シームコンペンセーション機能と呼ぶ、カメラを用いて継ぎ目のずれを検出して電気的に補正する機能により、複数のLEDタイルがシームレスな1枚のパネルのように表現できる。
スタンダードモデルであるXTシリーズ(輝度:800nit)と、エントリーモデルのXT-Eシリーズ(輝度:600nit)と、ロビーやショールームなど広くて明るいスペースでも極めて鮮明な映像を実現する高輝度ハイエンドモデルのXT-HBシリーズ(輝度:1,500nit)がある。
エントリーモデルのXT-Eシリーズは1.2、1.5、1.9mmの3種類のピクセルピッチがあり、高度な機能を必要としないLEDプロジェクトなどに、費用対効果の高いソリューションとして提供できる。
XT-HBシリーズには1.9と2.5mmの2種類のピクセルピッチがあり、いずれも最大1,500nitという高い輝度を誇っているため、外光が多く明るい環境での使用が求められる場合や、比較的離れた距離からの視聴が求められる用途に適している。
輝度とピクセルピッチの異なる9種類のLEDモデルに拡充したことで、多様化する屋内向けアプリケーションや大型サイネージの市場からのご要求に広く対応できる
XTシリーズに実装されている映像表示専用「Infinipix LEDプロセッサー」でビデオ信号を処理することによって、複数のLEDタイル上でもカラー精度、グレースケールレベルなどを同一に表示するように制御し、すべての輝度領域で色とコントラストを良好に再現する。さらに、モーションブラーを光学的に削減するブラックフレームの挿入などの機能を持ったプレミアムアンチエイリアシングフィルターを装備しており、これによって、 動きの速い映像においてもレイテンシが低くスムーズな映像表示を実現している。
また、タイルの一つが故障などによりデータパスが中断した場合でも、冗長データパスにより、映像表示を中断させずに不具合を修正できる。
■ベゼルレスで高い一体感を実現したLCDディスプレイ「UniSee」
55インチのタイル式LCDビデオウォールプラットフォーム「UniSee」は、ベゼルレスの設計により、接続しているLCDタイルの間がほとんど目立たない、シームレスなLCDビデオウォールを実現している。800cd/m²に加え、「NoGapテクノロジー」によって、画質とともに設置精度や保守のしやすさ、信頼性も高めている。
精度を保証する自動アライメントを装備した「UniSeeマウント」と呼ぶマウント構造により、LCDの重さで自然に位置合わせしてパネルの位置を保つ。また、接続したLCDパネルの連続性を自動的に校正するためのシステム「Sense X」は、個々のパネルだけでなく、接続したLCDパネル全体が1枚のビデオウォールとして完璧な画像を表示するための調整をする。屋内の照明条件や、人間工学に合うように調整するといったことも、通常は外部装置で手動で実施するが、Sense Xは、ボタンを数回押すだけで再校正できる。
セットアップ、設定、保守作業を簡単に実施できるソフトウェアプラットフォーム「UniSee Connect」では、最新の UIにより、トレーニングを受けてなくてもビデオウォールの設定・保守ができ、これによりビデオウォール全体を管理する。
GMOインターネットグループが昨年12月に発表した、渋谷の東急プラザ渋谷の新たな待ち合わせスポット「GMOデジタル・ハチ公」は、このベゼルレス・ビデオウォールルシステム「Barco UniSee」を48ユニット使用している。正面・右面・左面がそれぞれベゼルのない、220インチのディスプレイを構成しており、没入感を体験できるデジタルアート空間になっている(技術協力&コンテンツ制作:ソニーPCL)。
■2,000ルーメン程度から75,000ルーメンまで幅広いラインナップを揃えた中・高輝度プロジェクター
2,000ルーメン程度から75,000ルーメンまで幅広いラインナップを揃えたBARCOの中・高輝度プロジェクターは、10,000ルーメン程度までの「G60シリーズ」、20,000ルーメン程度の「UDMシリーズ」と、さらに高輝度の「UDXシリーズ」といったラインアップがあり、今回は各シリーズの最新機種を紹介する。
劇場映画用から、大小会議室・宴会場、ホール・イベント用、高度なシミュレーション用、VR用、プロジェクションマッピング用、ホームシネマ用と、対応する市場が幅広く、製品ラインも、超静音型 DLPビジネス用プロジェクター、大会場用プロジェクター、デジタル・シネマ産業向けシネマ・プロジェクター、ポストプロダクション・プロジェクターと用途に応じて最適なシステムを構成している。
バルコは、プロジェクターに加え、LED、LCD(UniSee)とリアプロジェクションタイプのディスプレイの3種類のディスプレイソリューションを持っているという、世界でも数少ないメーカーであり、他社が真似をできない強みとなっている。
■画像処理イメージプロセッサー「Event Masterシリーズ」「ImageProシリーズ」「PDS-4K」
バルコは、自社のディスプレイに最適な状態で映像を表示するための画像処理プロセッサーが用意されている。これらのプロセッサーと搭載システムにより、表示速度や明るさ・解像度などを、ディスプレイの置かれている環境やコンテンツの内容・特性、さらに製品の構成にあわせて最適化する。また、リアルタイムで複数の映像ソースを用いた高度な演出も可能にしているほか、保守管理や部分的な故障時にも稼働を止めない機能など、イベントの進行・管理に重要な機能を持つ。表示装置とともに、トータルなコンテンツ提供、映像情報提供のシステムを自社で提供している点も、同社の大きな強みといえる。
画像処理イメージプロセッサー「Event Master Series」は、4K表示に対応したマルチフォーマットプレゼンテーションシステム。
「Event Master Series」の最上位機種「E2シリーズ」は、16の4K入力と8の4K出力を備えたマルチパーパスイメージプロセッサーで、一部では「No Barco, No Event(バルコのプロセッサーなしではイベントはできない)」と言われるほど市場から好評を博した製品。わかりやすいクロスプラットフォームユーザーインターフェースを搭載し、人間工学に基づくタッチスクリーンを提供する。
「ImageProシリーズ」の最新機種「ImagePro 4K」は、4Kでクリエイトするための4Kスケール、コンバーター、スイッチャー機能をもった、イメージプロセッサー。2004年に発表した「Image PRO」の4K対応最新機種です。4K,4:4:4,60P,10bitの映像を遅延なくスケール、変換、切り替えができる。HDMI2.0、DP1.2、3G-12G SDIの各入力映像をシームレスに変換できる。他のバルコ製品と同様、高信頼設計で、ツアー等での移動や、複数回におよぶ設置・取り外しといった厳しい利用環境を前提に設計、テストされているため、大型コンサート、カンファレンスなどでも、故障なく利用できる。イベントを遂行するための入力信号なども、フロントパネルでを確認・把握できる。
LEDセットアップメニューによって、単一入力を複数端子で同時出力したり、複数のソースを一つのLEDに表示することも可能。
今年7月に発表した4K対応スイッチャー「PDS-4K」は、複数の出力機器の映像をシームレスにスイッチングできるほか、シングルスクリーンとデュアルスクリーンの両方に対応が可能。複数のプロジェクターを用いた会議やライブイベントの演出を向上できる。オプションカードで、Danteオーディオに対応。低遅延、ストレスのないスケーリング機能を備えており、小規模から中規模のイベントに適している。
■オンライン、オフラインの会議を安全かつ効率的にする「ClickShare コンファレンス CXシリーズ」
「ClickShare」(クリックシェア)は、パソコンのUSBに差し込み、ボタンを1回クリックするだけで、接続したPCの画面を、共有ディスプレイに投影できるシステムで、すでに数多くの企業でも導入されている。会議や講演会などで、スクリーン上に各自の資料を表示する際、自らのパソコンをビデオ接続するのに手間取ることで無駄な時間を費やすことなく利用できるため、会議の効率化を実現できる。最上位機種では2台の4Kディスプレイに出力し、最大8つの異なる画面を分割投影も可能。
ソフトのインストールや社内ネットワークへの接続も不要で、複数のデバイス(PCやスマホ)を同時・分割投影できる。PC、Mac、IOS、Androidのスマホやタブレットでも利用可能で、iOSならAirPlay経由で接続できる。
さらに、タッチスクリーンタイプのディスプレイを接続した場合、プレゼン画面にメモを書き込めるホワイトボード機能を搭載しており、書いたメモをプレゼン画面と合わせてファイルとして保存できる。
今年発表された「ClickShare CXシリーズ(for remote meeting)」は、リモート会議を想定したもので、ディスプレイと複数のPC間の接続を無線化するだけでなく、リモート会議で使用するカメラ、マイク、スピーカーフォン、サウンドバーなどのUSB機器とワイヤレスで接続するルームドック機能と、利用者が手元で操作できる専用ボタンで構成されている。
専用ボタンをPCに挿すことで、ClickShare CXシリーズ本体に接続されたUSB機器をワイヤレスで操作できるようになり、ワンクリックでリモート会議を開始できる。
映像や音声をClickShareに接続されたPC間で共有することができるため、全員がWeb会議ツールを起動させなくても会議に参加できる。
ClickShareボタン&アプリに追加された新たな機能では、ディスプレイに共有された画面を自分のデバイス画面に表示させたり、共有している画面を一時停止してローカルでの作業を隠す機能、表示させるウィンドウを選択する機能などが実装されている。
ボタンを接続してから起動まで約7秒で会議に接続し連携できる。ミーティングの種類を問わず、企業内で統一されたユーザーエクスペリエンスを提供する。
ClickShareコンファレンス(for remote meeting)の通信環境はデフォルトで暗号化されており、企業で求められるレベルのセキュリティを備えている。ISO 27001認証も取得済みで、社内ネットワークへも統合できるように設計されている。
また、XMSクラウド管理プラットフォームにより、企業内のClickShareを簡単に一元管理できる。ユニットの自動検出やネットワークへの登録のほか、ファームウェアの更新をスケジュールした日時に自動的に実施するといった設定も可能。会議室の使用頻度やClickShareの使用状況もリモートからモニタリングでき、ワークスペースをより効率的に活用できる。
【出展企業紹介】
バルコは1934年にベルギーでに創業(日本法人であるバルコ株式会社は1995年設立)。ラジオの製造から始まり、現在ではディスプレイ技術、プロジェクション技術、コラボレーション技術を核に、主にエンターテイメント、ヘルスケア、エンタープライズ向けに可視化ソリューションを開発、設計しているグローバルなテクノロジー企業。
現在、90か国以上に販売拠点を持ち、2019年の連結総売上げは1,000Mユーロを超え、従業員約3,600名、400を超える特許を取得している。